[BlueSky: 58] モノと時間(日本人は金持か) Re: [52] : [48] : [29]


[From] Ken Goto [Date] Sun, 11 Jul 1999 18:04:50 +0900

後藤@帯畜大です。

紺野さん【52】:
> > > 紺野さん【29】:
> > > もっとも極端な抑制の科学は小型化遺伝子の人間への導入だ。
> > > 遺伝子導入も人ごとではなく(「他種ごとではなく、」が正しい)
> > > 人間自身の身長を小さくする遺伝子の導入なども考えなくてはならないという時
> > > 代がくるかもしれないと言うことです。小型化すれば資源を使わないから。
> > ⇒⇒⇒これって、冗談(Jと略称することあります)じゃなくて、真面目なんで
> > すか?
> 冗談を言ってはいません。もちろん、このようなことをやってよいと言っている
> わけでもありません。しかし、オカルト集団の教義になるかもしれません。この
> ようなことを回避する方法を探りたいと言うことです。(後藤さんから反論ある
> だろうな、と思っていました。)
⇒⇒⇒あっ、なるほどね。そういうことは十分ありうることですね。

紺野さん【52】:
> > 後藤【48】
> > できることは、快楽追求の対象を変えることだ、と思います。科学者の研究活動
> > も、芸術家の創作活動も、技術者のエンジニアリング活動も、、、、あるいは、
> > 主婦の井戸端会議も、車を乗り回すのも、、、すべて快楽追求です。もちろん、
> > グルメも快楽追求の一つです。
>
> > 楽しいことを求めてやまないという人間性を否定することはできませんが、何を
> > どのようにして楽しむか、ということを「選択」することは不可能ではない、と
> > 思うわけです。人間の果てしない欲望こそ、人間(個人)の活力の源泉です。そ
> > れは悪の源泉にもなりうるわけですし、環境問題の根底にあるには違いないので
> > すが、また、それは、人間の「美しさ」の源泉にも違いないのです。
> 後藤さんの議論はその通りだと思います。しかし、
> 何をどのように楽しむかを「選択可能か」という問題は、そう簡単ではないと思
> います。自然保護を考えている人間に取ってさえ、そう簡単に「選択可能」にな
> らないのです。
⇒⇒⇒「自然保護を考えて云々」の部分、もう少し具体的にお話頂けますか?
もちろん、僕も「選択」が簡単だ、とは思っていませんけど、自然保護に従事し
ている方々にとっては「何が難しいのか」、ちょっと、ピンとこないのです。

>  いまの日本に住んでいては、むずかしいのか、そもそも人間にはむずかしいの
> かを見定めたいと思います。僕はいまのところ後者です。でも、希望は捨てて
> いません。多くの人に議論をしてもらいたい点です。
>  欲望も時代の所産であるので、欲望の対象の転換はまったく不可能ではないか
> もしれません。ある物がもったいないと思うことはつい最近まで普通でした。い
> まは時間がもったいないの時代です。
⇒⇒⇒人間、「もったいない」ものは大切にしようとしますが、「時間を大切に
しよう」としているようには見えません。むしろ、時間に追われているだけ、の
ほうが的確ではありませんか?大きなストレス因子になっている。

等身大の技術、という言葉がひところ流行りましたが、時の流れが等身大であっ
て欲しい、と僕は思います。

子どもの頃、何もすることがない時、よく縁側や丘の野原に転がって、青空を流
れていく雲の動きをいつまでも飽きずに見てたことがあります。それは大人から
見れば「生産的」ではありませんが、子どもにとっては至福のひとときです。そ
れはまた、教育的見地からすれば、美とイマジネーションの力を蓄える過程、と
捉えることもできるでしょう。

貧乏暇なし、という言葉もありますね。結局、現代日本人は金持になったと思っ
てるけど、本当は、まだまだ貧乏であるのに違いない、と僕なんかは思っていま
す。モノを買える力をもつことは、それ自体としては本当の経済的富なのではな
く、その購買力をどのようにしてもつにいたったのか、という点まで考慮しない
といけない。

通勤電車に揺られて、企業戦士となって会社のために一生懸命働いて、リストラ
でポイですから、、、。狭いながらも我が家は建てましたけど、アメリカの中流
に比べれば、雲泥の差以上の格差があります(無い物ねだりはしちゃいけません
が)。でも、国家指導者は、明らかにこうした貧しさを奨励せずには、高度経済
成長を達成できなかったわけです。

で、「時間に追われる」現象が、子どもにまで浸透してきてしまった、ここ10
年,20年、、、学校が荒れるのも無理ないことです。

>  資源を使い尽くして、自然保護の対象さえなくなる前に、後藤さんのいうこと
> が可能か、そしてそれがどのようにして可能なのか考えたいと思います。それは、
> 横山さんの懸念されている問題につながるはずです。
⇒⇒⇒そうですね。じっくりと議論していきたいです。

後藤 健
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生命を考える http://www.obihiro.ac.jp/~rhythms
帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612


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