[BlueSky: 5639] re:5636 支離滅裂


[From] 阿部靖志 (ABE Yasushi) [Date] Sun, 04 Jan 2004 23:52:16 +0900

荻野 行雄さん、こんにちは。

阿部@春日です。

> ・「必要が満たされる状態」と 「足るを知る」について
>
>    昨年末のテレビのニュースで、私と同年代の男性が
>   生活保護を打ち切られて誰にも気付かれないまま
>   餓死していたという事件を報道していました。
>   母親が市役所を訴える準備をしているとの事でした。
>   確か1年間に餓死する日本人が、50人ぐらいとか・・・
>    私は、その餓死した様子の写真(ぼかされていた)が
>   放映されるのを見て、それに手を合わせ涙があふれるのを
>   感じながら、それでも、その人の心は平和だったかもしれないと
>   思いました。

 それは、あなたの感想ですよね。実際にどうだったかは、本人にしか知りえ
ません。ただ、彼の死が平和だと言うなら、彼は生活保護を打ち切られる前に
だって、餓死できたでしょう。それほどの精神力が無かったので餓死せざるを
得ない状況に追い込まれるのを待っていた?。ならば彼は生きる事さえも自身
では選択していなかったのでしょう。そういう状況を指して、誰かさんが死亡
率160%と言っていましたっけ。私は屍と呼びますが。


>  阿部さんの定義では、そのような平和が切り捨てられてしまいます。
> 実際の社会では、「生存に必要な条件が満たされない状況」であっても
> 平和に生き、死んでいくことが、絶対にありえないと断言できないと思います。
>  そのように死んでいった、いや、今生きている人に、その定義は失礼です。
>  そのような人は、しかしその精神状態において、「必要を満たされ」
> ていたのであろうと言うのであれば、「足るを知る」の方が明快・簡潔です。

 寂滅の平安を認めるにやぶさかでは有りませんが、それは充分に生きた人だ
けのものでしょう。まだ充分に生きていない者には、充分な資源が必要だと思
いますが?。

 環境問題が、未来の世代の資源を食い潰している現代のライフスタイルに起
因していることは、充分ご承知のことと思います。未来の世代に充分な資源を
残せない言い訳に『足るを知る』という言葉を使いたがっている様に思えます
が、如何?。


> >私の示した定義であれば『生存に必要な条件が満たされない状況』は
> >存在し得ません
>  これでは、現実世界の話ではありません。
> つまり「人間が生きている状況下での平和」ではないでしょう。

 平和とは、『人間相互の関係を支配する崇高な理想』ですよ。その理想とは
どういう姿か、を私が私の言葉で述べたのが、議論している平和の定義です。
それをどうやって実現して行くかは、別の問題です。

 現実の世界が平和なら、私の定義と現実との齟齬を示せば『「人間が生きて
いる状況下での平和」ではない』ことを証明できます。あなたがそのように仰
しゃるという事は、あなたは現実の世界を平和だと考えている訳ですね。

 言い換えましょう。

 あなたは、社会の底辺の人々に『足るを知れ』と言い、彼等が餓死しても自
分は充分な資源を消費し、それを『人間が生きている状況下での平和』と言っ
てのけることで、免罪符を手に入れたい訳ですね。


> ・「たとえば恋人を恋敵に奪われた人に
>  平和はやってくるでしょうか…」  という指摘について
>
>  他人の恋人を奪う「自由」を認めれば、それによって
> (どう乗り越えるか以前に)奪われた人は「害され」てしまう。
> その後で感性がどうのといっても、その時点で「平和」ではない。
>  「自由」な行動というのは「人を害してしまう」可能性がある。
> 潜在的には多分、生きている自由な行動は、必ず誰かを害してしまう。
>
>  この指摘は端的に、「定義」の内容が対立し、矛盾しているがそれでいい
> のかということでしょう。

 『"and" で指定した部分を勝手に"or"に変えて内容が対立する、たぁヘソが
茶ぁ沸かすぜ』と申し上げても宜しいでしょうか?。

 心の赴くままに生きて、法を犯さず、他人を傷つけないのが人生の達人だと、
中国の古い教えに有ります。そういう人だけで作られる社会が、私の頭の中に
は理想の一つとして存在しています。社会を変える、という事は、社会の構成
因子である人々の心をも変える必要がある、という事です。


>  「自由に考え、話し、行動でき」
> これでは、身体的に話すことも、動くことも出来ない障害者に
> 「平和」はありえないことになってしまう。
> どうしてそこを切り捨てられるのか。

 そういう意味で言うなら、健常者だって自由に考え、話し、動ける訳ではあ
りませんよ。自分のバカの壁を消滅させられた人はどれくらい居ますか?。日
本人以外の生物と自由に話せる日本人がどれだけ居ますか?。地球の中心を覗
いて帰って来た人はどれくらい居ますか?。

 『能力の範囲内で』という前提条件は暗黙の内に了解されると思って居た私
が悪いのですね。失礼しました。


>  「平和」の定義など簡単です。
> 「人が、平和だと感じる状態」です。
> したがってこれは単純に精神性の問題です。
> その精神状態は、おそらく
> 「足るを知り、自分が納得して自分の自由を律する」状態です。

 なるほど、そうかもしれません。宗教はきっと、そういう平和を目指してき
たんでしょうね。まぁ、私の目には、その様な試みが全て上手く行かなかった
ように思えますが。それは、人間の欲望を甘く見た結果だったんじゃないです
か?。私には、あなたが同じ間違いを犯そうとしているように見えますが。


>  「害」しないとかされないとか、経済・物資がどうのとかいうのは、
> そのような精神状態に到達するのに、その方が具合がいいのではないかという
> かなり怪しい希望的観測でしょう。

 怪しい希望的観測ですか。怪しいんだったら、否定できる条件を幾つだって
挙げられるのでしょうね。

 それから。必要が満たされなくても平和が達成されるというなら、何故、必
要が満たされていない現代の世界は平和では無いんですか?。平和より生存が
優先されているからでしょう?。それは、世界の人々の大多数は寂滅の平和な
ぞ望んではいない、と言う証拠ですよ。

 ああ、あなたは戦争と貧困と暴力と環境破壊が蔓延するこの世界を平和な世
界だと認識しているんでしたっけね。私が示した平和の定義は、あなたの平和
を破壊するための定義でもあるのでしょうね。


> ・ 「森林の思想」というのは、多分、
> 循環型の安定した社会を構築する方法論でしょう。
> それと平和がどう関係あるかは、必ずしも明確ではありません。
> そこを考えるには、その思想を分析する必要がある。
>  勝手な想像ですが、「森林の思想」というのが、理念としては
> 「人間もまた森の生態系の一員として生きる」ということであるなら、
> やはり人と、森の草・虫は同等の存在であるわけです。

 人と、森の草・虫は同等の存在であるシステムで、全ての構成要素が平和の
内に存在する為には、全ての構成要素が資源を必要としない存在でなくてはな
らないのですが、私は、そんなことを言っているのではありません。

 経済停滞のブレークスルーとして戦争が必要とされる世界に対する反命題と
して、戦争なしに経済停滞を乗り切るシステムの提案が必要で、それは森林の
思想から出て来るんじゃないか、と言う話をしたんです。


> >森林は平和でしょうか
> >生き物たちは喰うか喰われるかの毎日で
> >植物も場所を争っていたりするようですし…
>  ここで指摘されているのは、「森林の思想」が実現した社会
> の中であっても、必ずしも平和であるかどうか分からないではないか。
> ということでしょう。どこが論点をはずしているのか私には分かりません。

 いいですか?。論点は『平和』です。そして、平和は一つの理想です。どち
らの社会がその理想に近いのか、という話を、私はしたのです。論点を外さな
い議論であれば、『定期的に戦争が起こる社会は必ず森林の思想が実現した社
会より平和に近い』という命題を証明し、『森林の思想』が実現した社会を否
定することで私を論破せねばならないでしょう。しかし彼が尋ねたのは『その
社会が平和か?』という事でした。

 『1は2より0に近い』という議論に対して『1は0か?』と尋ねるのは論
点を外していると言っても良いと思いますが。


>  阿部さんが driad さんの指摘を的外れだと思うのは、
> それは阿部さんの方に問題があると私は思います。

 あなたがそう思うのはあなたの勝手ですけど、どう問題が有るのか、私には
サッパリ見えて来ないんですが。公開されている場で私をその様に断ずるから
には、それなりの根拠をご提示頂けるんでしょうね。


>  さらにその「精神の収支」がどうのこうのという話がどうして出てくるのか。
> 私には阿部さんが鏡に映った自分に悪態をついているように思えます。
> これは「惨状」でしょう??

 精神の収支の話は、彼の文章から私が読み取った話です(どうして読み取れ
ないのかが私には不思議です)。それから、私は彼に悪態をついてなどいませ
ん。哀れと感じ、そこから抜け出す方向を示しているだけです。

 『私には阿部さんが鏡に映った自分に悪態をついているように思えます。』
と仰しゃるからには、私が軽蔑し合う人間関係を築いていると、あなたは考え
ている訳ですね。そのような文章を書いたつもりは有りませんが、私の文章の
何かが、あなたにその様に思わせたのでしょう。どういう処をどう分析してそ
の様な結論を得られたのか、大変興味があります。コトは私自身についてであ
りますし、精神分析学関連書籍の愛読者だった者の興味としても。ご教示頂け
れば幸いです。


それではまた。 阿部 靖志(abe_yasushi@yahoo.co.jp)

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