[BlueSky: 5582] Re:5557 都市と田舎


[From] "suka" [Date] Thu, 11 Dec 2003 17:52:33 +0900

さがわさん 荻野さん 大杉さん みなさん
 
                  須賀です。

最近、公私ともにいそがしく、いろんなことに対応するのに頭の
容量をオーバーしてしまって、なかなかご返事を書けませんでした。

さがわさん[BlueSky: 5557] :
> もともと地方では共働きこそが標準であって、専業主婦が標準になっ
> たことなど一瞬もありませんし、農家で専業主婦なんて・・・・

なるほど。農家の共働きって、なんかいいなあ、と思います。同じ場所
で夫婦一緒に仕事をするんですよね。勤め人だとそういうわけには
いきませんから。

> いっそのこと「農村は農家のみが生活ところで非農家は都会で生活す
> べき」という政策を打ち出した方が、農業にも地方にも新しい可能性
> が生まれるかもしれません
> そういう政策の方が、環境保全事業にとっても“子育て”にとっても
> 新しい可能性が生まれるかもしれません

このアイデア、わたしにはまだあんまり具体的にイメージをひろげること
ができないのですが、なんとなく以前から考えていたことを連想しました。
自然環境を持続可能に保全・利用するためには、土地利用に関係する
いろんな法律や条令そのほかの取り決めをひとまとめにして総合的に
将来像をえがく作業をどこかでしなければいけないのではないか、と
いうことです。環境基本法、自然環境保全法、自然公園法、鳥獣保護法、
種の保存法、環境影響評価法、自然再生推進法、森林法、都市計画法、
そして農業や治水に関係する法律など(そのごく一部をのぞくと、わたし
もここにあげたような名前くらいしか知らないのですが)、いろんなものが
あります。しかし、これらがいろいろと組み合わさって、全体として国や
地域の土地利用についてのひとまとまりの大きな青写真がイメージ
できるようになっているかというと、少なくともわたしのように法律の
専門家でない者にとっては全然そんなふうになっていないと感じます。
このような作業はすでにどこかではじまっているのでしょうか。もし
ご存知の方がいらっしゃいましたらご教示ください。

荻野さん[BlueSky: 5568]:
>  休耕田をそのまま助成金で維持するというのは、
> 一時的にはともかく、継続的には、やはり
> 無理があるのではないでしょうか。
>  飼料用でも何でも、田んぼとして成立させることを考える
> べきでしょう。

そうかも知れませんね。もっとも、生物の保全という面を考えたときに
わたしが一方で関心をもっているのは、草地環境を将来にむけてどう
残していくかということです。むかしは馬を飼ったり草刈場として利用され
たりして、さまざまな場所に草地がひろがっていたといわれています。
そしてこのような環境に適応した野生生物の生息環境にもなってきた
のですが、燃料革命以来、そのような利用は失われ、こうした場所に
生息してきた生物の多くが絶滅危惧種となっています。休耕田に草刈
などの手入れが入っていると、(本来意図したことではないとはいえ)
こうした生物にいい逃げ場所を提供している結果になっていることが
あるのではないかと。農業や農地そのものの持続性の話とは別の
側面ですから、確かに区別して考える必要がありますが、土地利用の
体系として考えたとき、このように環境として重なってくる場合にどう
考えたらいいのか、ということにも興味をそそられるというわけです。

>  そもそも「食」も「自然環境」も「「公」」の問題のはずで、
> そういう問題意識を持っている人は、公務員に多いのではないか

わたしが個人的に知る範囲では、そういう問題意識をもった公務員は
少なくないと感じます。

さがわさん[BlueSky: 5569]:
> 公務員といっても、職場が“たまたま公的機関であるに過ぎない”
> 研究員とか県内を広範囲に移動する県職員はまず無理でしょう
>
> それ以前に、単身者には農業はかなり難しいですし・・・

わたしの同僚のなかにも、家庭菜園や市民農園などで休日に農業の
まねごとを楽しんでいる者が何人かいます。まねごとですから、本当
の意味で農業をどうするかという話題にとどくような話ではありません
けれど。

実はきのう、「単身者」でなくなってしまいました。相手の実家の父親が、
以前は勤め人でしたが定年後農地を借りて趣味で無農薬栽培の畑作り
にはげむようになったそうで、野菜をいっぱい送ってくれます。うまいです。

荻野さん[BlueSky: 5571] :
>  さがわさん、レスありがとうございました。
>
> >地元の役場職員には兼業農家の人は多いですね
> >役場職員は完全週休二日で、農村部だと地域いちばんの高給取り
> >だったりするので、兼業農家にとっては魅力的な職場ですね
>
>  そうそう、実態としてそういうことがあるのだから、
> 制度としてバックアップした上で、給料を減らせれば、
> 時代状況にも合うのではないかと考えた訳です。
>
>  給料を減らしてワークシェアリング出来ればいいわけですが、
> いきなり何もなく、給料を減らすことも難しいでしょうし、
> 結構いい考えではないかと・・・

なるほど。でも、自然保護の方も全然人手が足りないからなあ。もっとも、
長野県の昆虫類の保護についてなら、ワークシェアリングで別の方にも
来ていただけるようになったほうが、不器用なわたしがひとりで何もかも
かかえこむよりもずっとうまくいきそうな気がします。長野県に何万種いる
かもほとんどまったくわかっていないというのが現状ですから。時間の半分
を農業につかうようになれば、虫についても新しく学ぶことがいっぱいある
だろうなあ。

大杉さん[BlueSky: 5576] :
> 不耕起栽培に関しては、一昨年に理科教育MLで結構議論しました
> ので参考になるかもしれません。(澤口さんも発言されてますね)
>
> 過去ログの2001年5月下旬[rika:25198]〜7月中旬ぐらいまでの
> 「イネの不耕起栽培と環境教育」表題のスレッドをご参照下さい。
> サイト内検索の「不耕起」で出てきます。
> http://rika.org/
>
> 発端と途中とまとめ
> http://rika.org/archive/rika/200105/msg00511.html
> http://rika.org/archive/rika/200106/msg00655.html
> http://rika.org/archive/rika/200106/msg00683.html

まだわかっていないことが多そうですね。もし余裕ができたら本もよんで
みたいと思います。いずれにしても、わたし個人のなかでは、まだ農業
というものに自分としてどう向かい合ったらいいのかが整理できていない
ことを、一連のスレッドを拝読しながら感じました。うまい野菜を食べさせて
もらいながら「中長期的に」考えていきたいと思っているところです。

   須賀 丈





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