[BlueSky: 5500] Re:5480 5482 難しかったですか


[From] "荻野 行雄" [Date] Wed, 29 Oct 2003 20:05:50 +0900

 肝心の、井上さんから音沙汰がありませんが、
難しかったのかな。


 前回ちょっと名前を出した、甲野善紀先生について、

「不安定だから強い 武術家・甲野善紀の世界  田中聡 晶文社」

 という本があって、
これがなかなか考えさせる出来なのですが、
それによると甲野師範は、

>   「水や樹のよさを、ただ「いいなあ」というのではなくて、
>  より深く思いたい、より深く味わいたい、という気持ちが、
>  自分を突き動かしているような感じがするんです。
>   武術の稽古で自分の中の「人間にとっての自然さ」
>  みたいなものを掘り下げていくことで、
>  それともっと深く出会えるんじゃないかということです。」

 と言っているらしい。

 人間にとって、「自然」とは,まず自分の身体な訳です。
そしてその動かし方、感じ方についてすら、
私たちはほとんど何も知らなかったのだということを、
甲野師範は明らかにしつつある。

>   僕らは自然なんか知らないのだ。

>   意識せぬままの前提にとらわれている自分に気づくことが、
>  武術の稽古の目的のひとつなのである。

>   必然性のない努力は有害である。

>   もし根本的な変化を求めるなら、基本が深化しなくてはならない。
>   現在の自分のギリギリの足場を切り崩していくことだ。

>   「あなたは自分のできる技(基本)が理想の高さに達していると
>   納得しているのか」

>   肝心なのは、正解を求めることではなく、
>   問いの立つ地平を深めてゆくことなのである。


  甲野氏の技を、リハビリに応用している理学療法士 北村啓氏
のことも紹介されていて、その中に北村氏が中学生にちょっと技を
教えたときの話があるのですが、

>   「(前略) すっごい喜んでね。何でだ何でだって、興味津々だったんだけど、
>  初めて教えてあげた日の夜にね、家で泣いたんですって。
>  『なんでお父さんもお母さんも、何も教えてくれなかったんだ』
>  って言って泣いたんだって。(後略)」


 さーて、今日は 「居合・抜刀術」 だったか。また録画するぞー。

  ● 
| 荻野 行雄 ogino.yukio@nifty.com
| http://member.nifty.ne.jp/kanngae/
|________________●


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。