肝心の、井上さんから音沙汰がありませんが、
難しかったのかな。
前回ちょっと名前を出した、甲野善紀先生について、
「不安定だから強い 武術家・甲野善紀の世界 田中聡 晶文社」
という本があって、
これがなかなか考えさせる出来なのですが、
それによると甲野師範は、
> 「水や樹のよさを、ただ「いいなあ」というのではなくて、
> より深く思いたい、より深く味わいたい、という気持ちが、
> 自分を突き動かしているような感じがするんです。
> 武術の稽古で自分の中の「人間にとっての自然さ」
> みたいなものを掘り下げていくことで、
> それともっと深く出会えるんじゃないかということです。」
と言っているらしい。
人間にとって、「自然」とは,まず自分の身体な訳です。
そしてその動かし方、感じ方についてすら、
私たちはほとんど何も知らなかったのだということを、
甲野師範は明らかにしつつある。
> 僕らは自然なんか知らないのだ。
> 意識せぬままの前提にとらわれている自分に気づくことが、
> 武術の稽古の目的のひとつなのである。
> 必然性のない努力は有害である。
> もし根本的な変化を求めるなら、基本が深化しなくてはならない。
> 現在の自分のギリギリの足場を切り崩していくことだ。
> 「あなたは自分のできる技(基本)が理想の高さに達していると
> 納得しているのか」
> 肝心なのは、正解を求めることではなく、
> 問いの立つ地平を深めてゆくことなのである。
甲野氏の技を、リハビリに応用している理学療法士 北村啓氏
のことも紹介されていて、その中に北村氏が中学生にちょっと技を
教えたときの話があるのですが、
> 「(前略) すっごい喜んでね。何でだ何でだって、興味津々だったんだけど、
> 初めて教えてあげた日の夜にね、家で泣いたんですって。
> 『なんでお父さんもお母さんも、何も教えてくれなかったんだ』
> って言って泣いたんだって。(後略)」
さーて、今日は 「居合・抜刀術」 だったか。また録画するぞー。
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| 荻野 行雄 ogino.yukio@nifty.com
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