[BlueSky: 5485] ゲンゴロウ通信・・・23世紀のゴミ問題−その2


[From] "ゲンゴロウ" [Date] Thu, 23 Oct 2003 23:01:11 +0900



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23世紀のゴミ問題−その2
     (穴だらけの大地)
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 23世紀後半、世界は都市と言わず村と言わず、「物質電
送機」の副産物で生まれた「原子レベル物質分解再生装置」
なるもののおかげ(?)で、それまでゴミと言われた存在が
姿を消しました。不用なものが全くなくなり、全てのものが
誰かの所有物になり、物をひとたび盗まれようものなら姿が
変わって所有権を行使できなくなる事態も起き、あらゆる物
の価値が上がり始めました。すると、心ない人の中には、夜
な夜な闇にまぎれて「物質分解再生装置」に投げ込む物質を
探し始める者も現れました。家の塀の羽目板ははがされ、ピ
ンクチラシや立て看板も姿を消し、町はペンペン草も生えな
い状態になりました。さらに、道ばたの石ころは持ち去られ、
アスファルトまでもはぎ取られ、道路は穴だらけになってし
まいました。
 必然的に罰則付き条例が直ぐに、政府当局から施行されま
したが、今度は、過去に埋められた貴重なゴミ探しが始まり
ました。しかし、過去に捨てられたゴミは、過去に不法投棄
が多かったせいで、その場所の所在記録は、どこの役所にも、
また企業にもなく、ゴミ探しは、まさに手探り状態で、ここ
掘れ、そこ掘れ状態になり、あっちもこっちも大きな穴だら
けになってしまいました。その風景は、さながら大昔、金鉱
を求めて起きたゴールドラッシュのようでした。

ちなみに、24世紀の辞書で、「ゴミ」を引くと、こう出て
います。

  ゴミ・・・世の中に少ししかない貴重な物。宝物、財宝。
       他に代える物のないほど大切な・もの(人)。
        用例:子は家のゴミだ。
         ※多くの場合、「お」を付けて使う。
         例:おゴミ探偵団、 おゴミ拝見。

また、「ゴミの持ち腐れ」という言葉もあり、その意味は、
「せっかく役にたつものを持ちながら、利用できないでいる
こと。」でした。



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     ゲンゴロウ
      gengorou5656@yahoo.co.jp

 「ゲンゴロウ通信」は、お話(フィクション)です。
 「虫は虫なりに一つの考え」は、意見であり随筆です。
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