[BlueSky: 5364] Re:5357 環境学シンポジウム


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Mon, 15 Sep 2003 20:05:52 +0900

こんにちは、葛貫です。

> それから20年が経ち,環境学がどのように体系化されつつあるのか,
> 第一線で活躍していらっしゃる方達のお話を「なま」でうかがえる
> なんてラッキーですね(^^)。

9月10日に東大駒場キャンパスで開催された「環境学シンポジウム」
のまとめが、安井至さんのサイトにアップされていました。

「市民のための環境学ガイド」
http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/

「環境学シンポジウム報告」
http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/SympoEnv09102003.htm

13:00〜17:25という長丁場だったのですが、もっと、環境に関する
教育、研究、審議会、等々の現場にかかわっていらっしゃる方達の
話をうかがいたいなと思えるような、面白いシンポジウムでした。

どなたが、どんなお話をなさったのか、きちんとメモをとりきれな
かったので、順不同で、こんな感じという大雑把な話になってしま
うのですが、この日にうかがったお話のうちで、私の印象に残って
いるのは、

入門者向きの「環境学概論」的な本がなく、学校の先生達も一般大
衆向けの間違った環境本をたねにして、生徒にはなしている場合が
見受けられ、質がよく、わかりやすい環境に関する本をつくる必要
がある。
 # 安井さんが小学生向きの絵本を、書いていらっしゃるそうです。
 # 学校の先生向きにも御自身のサイトに「高校の先生のために書
  いたマイナスイオン」をアップしていらっしゃいました。
  http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/MinusIonRika.htm

環境問題を総合的な視野から見られる個人を育てること、そのため
の体系をつくりだすことは、大切だけれど、個々の問題を堀進んで
行けば、最後のコアでは同じところに到達するということで、理論
と実践を繋ぐ意思を持つことが大事。

海外では、教育機関が、山あり川ありの広い土地を丸ごと環境に関
するフィールドとしてもっていて、そこで合宿しながら、フィール
ド調査とはどういうものかを体験することができるが、日本では、
そのような設備を持っているところが少なく、教室での講義が主だ。
自然界にしろ、社会にしろ、学生を実際のフィールドに出して、
体験させる機会をつくる必要がある。

理系の苦手な人に、イメージだけがやたらに膨らんでいきがちな定
性的な把握だけではなく、きちんとした定量的な思考方法を身につ
けてもらうのは大学の授業では、至難の業かもしれない。

しかし、問題解決型の取り組みをするのだったら、必要な知識や対
応の仕方は、自発的に身につけざるを得なくなるわけで、知識を
補うためには、e-learning等のプログラムを整えて、各々が必要な
レベルの知識につながれるようにtutor(個人指導をする人?)を
育てるという方法もある。

「環境」に対する視点や対応は、個々人が持っているものの見方、
感じ方、哲学と深くかかわっていて、ある人のもとで、それを学ぶ
ということは、教え手の個性あふれる偏った環境学となる場合もあ
り得る。そういう面を補うためにも、幅広い見解、分野を網羅した
e-learning等を上手に活用できるようになるといい。

自分自身で解決できそうもないことに関しては、外注というか、
大学の枠を超え、その分野に詳しい人達とつながってゆけばいい。

などのお話でした。
専門や気になるところが違う方は、違うところが、印象に残って
いらっしゃるのだろうな、と思います(^^;。


> 「9月9日、火星が月と大接近」
> http://www.astroarts.co.jp/news/2003/09/04nao672/index-j.shtml

家のベランダで、バードウォッチング用のプロミナの接眼レンズに
デジタルカメラを無理やりつけて写真を撮りました。
月の模様と火星の紅が写ったのが1枚だけありました。
露出補正等々、いろいろカメラをいじってみたのですが、難しいで
すね。きちんととらえることができる人間の眼ってすごいですね。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/1243/030909.html


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