[BlueSky: 5244] 虫虫・・・土石流災害に思う


[From] "gengorou" [Date] Sun, 27 Jul 2003 00:12:20 +0900



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虫は虫なりに一つの考え・・・・土石流災害に思う
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ニュースや特集番組や、NHKの教育番組などくらいが、私の
情報源ですが、その範囲で思うことをあれこれと。。


【日本の針葉樹林】

 まず、ドライブなどに行くと、「ほんとに針葉樹林が多いな」
と思います。ある時、車を降り、山を一つ越えあまり人の入り込
みそうもない場所まで入り込んで、「なんだこれは?」と思うよ
うな光景に出会ったことがあります。山肌が崩れ、たくさんの木
が折り重なるように倒れているのです。

それで思うのですが、針葉樹というのは山のように傾斜地が多い
地形には、あまり適さない木なのではないでしょうか。適す地形
は、大量の雨が一気に降らない地域、つまり土地があまり浸食さ
れていない平坦な地域なのではないでしょうか。私は、自然や生
物などのことを、もちろん何も知りませんので、これは想像でし
かないのですが、針葉樹というのは高くなる割には、さほど根が
張らないのではないでしょうか。テレビ映像などで出てくる針葉
樹の大森林を思い浮かべると、平坦な地に、互いが互いの防風林
になって立っているような気がします。針葉樹は、平坦な土地で、
風をあまり受けない土地に育ち、さほど根を張る必要がなかった
のかもしれない・・・などと思ったりします。
 その為、針葉樹は傾斜地や風の当たる山頂付近では、風で簡単
に倒れたり、また雨の水を葉や枝に含むだけで、その重さにも耐
えられなくなり、現在、管理(保護)されていない日本の山々で
は倒木が多くなっているかもしれません。
 林業が盛んだった頃は、林業の人たちが、倒木でも、それを収
穫?して利用し、その後、植林をしていたので、それなりに山の
斜面は守られていたが、誰も山の針葉樹を利用しない現在、山は
最悪の状態にあるのかななどと思います。



【針葉樹と広葉樹と雨】

 広葉樹?というのでしょうか、、あの雨を蓄える葉の付いた木
は・・・。例えば、ケヤキの木。かなりの雨でも、当初1時間ほ
どは、まったく雨水が下に落ちてきません。ケヤキには大変な保
水力があるようです。秋に紅葉して葉を落とし、その落ち葉も雨
を蓄え、雨が降ったずっと後もミネラル?たっぷりの水がチョロ
チョロと流れ出て来ます。
 それに引き替え、山などに行き、雨が降ってきた時、針葉樹の
下を歩いている時には、すぐに濡れてしまいます。おまけに足下
を水が流れ始め、その水は、針葉樹の落ち葉をさらい、足下は土
がむき出しになり滑りやすくなります。
 この様なことは、治水に関わらない人や、自然に興味がない人
でも、かなりの人が知っていることではないでしょうか。。。

 日本は降水量が多いのに、人が入り込める山には人工的に針葉
樹が植えられています。これこそが土石流災害の原因ならば、国
家が針葉樹を植えたのですから、ほとんどの土石流は人災という
ことになるのでしょうか。。


【金を生む山】

 安い木材が輸入され、山の木材が金を生まなくなると、今度は、
その山の状態を利用し、多量の水や土砂をせき止めることで金を
得る方法を考え出したのかもしれません。さらに、無理矢理に水
を押さえ込み、それまで大水になると川底に変わる土地を売り、
金を得ることまでも行い始めたのかもしれません。


【土石流災害】

 「透明恐竜・ドセキザウルス現る!! 山の地中から這い出て、
里の民家を襲い、数秒で去りました」などと表現したくなるほど、
土石流災害の被害は恐ろしい。。。。

 ある男子高校生が、遠く離れた土地に住んでいる女子高校生と
テープで録音した会話で文通?をしていました。その男子高校生
は、大雨の日の夜に「今、こちらは大変な雨です。恐いけど、こ
ういう夜は何も出来ず家の中でじっとしているだけです。あっ、
今、なんかゴーという音がしてます。。。。。」というところで、
その録音は終わっていました。山津波に飲み込まれた土砂の下か
ら村人が掘り出したカセットレコーダーに録音されていたそうで
す。
 私は、この話をやはり高校生の時にラジオで聴き、今だに忘れ
られません。山津波、崖崩れ、土石流に飲み込まれた人たちの人
生は、だれにも何も告げられず、自分の死も知らないで消えて行
くと思うと、やりきれない気持ちになると共に、「なんで、そん
な所に住んでたんだ!」とさえ言いたくなりました。しかし、き
っと親が、そしてその親も、そこに根を下ろして生活してきて、
幸せな家庭がそこにはあったのでしょう。。


【針原川土石流災害】 

 平成9年7月10日、鹿児島県で出水土石流災害(針原川土石流災
害)http://www.bosai.go.jp/sougou/dosha/rain/izumi.html
がありました。あの場所は、ニュース映像で見ると、直ぐ下に砂
防ダムがあり、さらに、改修工事もしていたとのことでした。
 小さい頃、砂場に山を作り、穴を掘り、その穴にバケツで水を
入れると、砂山は崩れました。この針原川土石流災害のニュース
を見ている時、何かあの光景を思い出しました。まだ、砂や砂利
が満杯になっていない既存の砂防ダムや、新たな工事の仮設設備
に、水が多量にせき止められて、その結果、山の麓が水に浸り、
山の斜面の足下が”ゆるみ”、均衡が崩れ、山は崩れたように思
いました。
 ただその後、ニュースを気にして見ていましたが、その様なこ
とが原因だと、どこの局も、だれも言いませんでしたが、私は、
今でも、あの山崩れは、砂防ダムの改修工事が招いた人災ではな
いかと思っています。


【みんな仲良し】

 災害などの調査などのニュースなどを聞いていて思うことがあ
ります。行政調査団、学術調査団などに携わる人たちは、「山を
むやみにいじったのも原因にはある」と、そんなことはまったく
言いません。私の様な素人にも、山をいじるということの恐ろし
さは分かります。彼らこそ、そのことは知っていることだと思い
ます。山に針葉樹を植えすぎたこと、その山を放置し、山の水を
無理にせき止めたこと、それが土石流災害などの原因の一つだと
承知しているのではないでしょうか。
 それを言わない彼ら調査団は、「私はバカで〜す」と平気で言
える人達ではないかとさえ思ってしまいます。なにか、真実を語
ることが出来ない仕組みが、人の心の中にはあるような気がしま
す。水俣病の時も然り。談合しかり。。知識あるものは、なぜか、
あ〜だ、こ〜だと、核心から離れた部分のことを論じている。
 誰もが分かっていることが、まったく表面に出てこない。いつ
も被害にあっている人たちの叫びがあるだけ。しかし、責められ
るべき人たちにとって都合の良いことに、土石流災害では、被害
者には叫ぶ間さえない。


【公務員たち】

 民間人は、営利を追求する世界にいるので、決して災害現場の
調査に責任ある立場として加われません。営利を追求するだけで
は、社会はよくならないということで、公的な仕事として、自然
保護の仕事を任されている人たちがいます。彼らは公務員と呼ば
れます。
 科学者や研究者は、国の機関に雇用を受けると、急にその集団
の意思に飲み込まれてしまって、肝心なことは何も言えなくなっ
てしまうのではないでしょうか。環境問題を口にし、互いに討論
をしている様でも、実は、当たり障りのないことを言い、本質は
言っていないのではないでしょうか。 
 テレビニュースでもそういう面が見えます。スポンサーに都合
の悪いことは言わない。。。
 また、このMLも、例外ではないかもしれません。このMLも
はや4年。それぞれの方が、責任ある地位につかれて、本音を言
うことが出来なくなっているなどということがありませんでしょ
うか。公務員クラブなどになっているなんてことはないでしょう
か。


【匿名性の重要性】

 以前、匿名うんぬんという話が出ましたが、環境問題を語る場
は往々にして行政と意見が対立する場なので、もしかすると、匿
名のほうが、本音が語れ、聞ける場になるような気がしてなりま
せん。どのような問題も、「本質を検討せずして、解明なし」か
もしれません。       
なんなら、もう一つ別のアドレスで、バンバン内部告発付きの問
題提起でもしたほうが、よほど環境問題を語るには有効なのでは
ないかとさえ、思ったりします。
私は匿名なので、こうして言えるわけです。。。匿名な割に、大
人しいですが。。。


【安全性と効率】

 以前、私は東海原発事故?の際、ほとんどの原発で問題が隠さ
れていると、自分の職務経験から推測して、かなり断定的な意見
を言いましたが、その時にも、「安全だから安全」という意見が
出たように思います。私にすると、「安全な設備などあるはずも
ない」と思います。何かしらの実験設備を作ったことがある人な
らば、失敗の可能性のない設備のないことはすぐに知れることで
す。それを、「絶対に安全」と言ってのけられる不思議。。その
言葉こそ、歪みが生じていることを無意識に「告発したくて告発」
している気すらします。
 その後、内部告発や調査があり、ほとんどの原発に粉飾がある
ということが判明しました。「安全でない設備の認識」、これこ
そが、私は正常な状態であり、安全に最も近い状態であると思い
ます。
 さらに、その不安全きわまりない状態が表面に出たことで、最
も喜んでいるのは、実は、それに関わっていた管理者や責任者達
ではないかとさえ思います。何故か、人は集団の中に属すと、誰
もが望んでいないことを、望んでいるように勘違いするようです。

 私も、その例にもれません。つい、希望通りの作業をしようと
考えますが、あえて、「だれが、何を望んでいるのだろう?」と、
考えると、実は、だれも、その希望を望んでいないことが分かる
ときがあります。自分が望んでいるだけの時があります。
 責任者として、設備工事の責任者を任されたとき、工事の時期
を延ばさざるを得なくなった時、どんな圧力もはねのけたいと考
えています。安全が確保されないなら、絶対にやらないという意
思は、その工事に関わるどんな人も、最後には喜ぶ結果を生むも
のだと思っています。
 

【二枚舌社会・役者人間】


 現在、正常と思える発言は、組織からホッポリ出される者から
の内部告発です。情けない話、組織の中では正常な神経は麻痺し
てしまうようです。。
 麻痺をさせるのは、やはり本人だと私は思います。社長や会長
や理事長などのトップは、組織の人間が困るだろうと勝手に理由
を付けて「言わぬが花」を気取り、社員や組合員は組織が困るだ
ろうからと「言わぬが花」を気取る。。しかし、実際はだれも困
らない。

 医療事故も、政治汚職も、談合汚職も、まるで、今起きたこと
の様に語られていますが、氷山の一角どころか、ほとんどがそれ
の世の中なのではないでしょうか。私も実際に、役所の入札に関
わったことがありますが、談合がない入札など一つもありません
でした。皆なれ合いです。私は、日本という資源の無い国が、他
の諸国と渡り合って行く為には、それが必要悪だとも思って悪だ
とは思いません。しかし、二面性を持ってひた隠しにするのでは
なく、事実、多くの人がそれを知っているですから、日本の国民
の精神衛生上、堂々と、それを口にするべきだと思います。
その延長上に、その必要悪は消えるような気がします。

本当のことが、目先のちょっとしたことを気にするばかり、言え
なくなるような気がして、情けなくなります。おそらく、法とい
うものに私たちは縛られているのでしょうが、縛られているとい
う拘束から逃れるために、「俺達はウソをついている」というこ
とくらいは、堂々と言えないものかと思います。
「赤信号、みんなで渡れば恐くない」と言いますが、確かにそう
で、実は、渡りたいから渡っているんだと思えば、実は、本当は
だれもが、本当はルールを守って、ウソをつくことなく、短いこ
の世の生を過ごしたいのだということに気が付けるように思えま
す。

中学生が、高校生が、暴走族が・・・若者が荒れるのだって、、
本当は、だれでも理解できているはずなのに、「信じられない」
「まさか!」と、心臓の鼓動までを操って見せる。

何も本当のことが出てこない日本。世間では当たり前に行われて
いる数々の出来事を、テレビ・新聞ニュースでは「こりゃー大変
だ!」と流されて、それを見ている視聴者も、「なんだ!そりゃ
ー」と驚いて見せたり、怒って見せたり。だれもが「役者やのー!」
ではないかと感じてしまいます。

この日本の中で、せこせこして、死ぬときは、訳もわからずに、
一人涙を流す。人間としての貴重な命、そんな使い方していいの
ですか?なんか、小さくなっていませんか!!と言いたいです。

驚きも、嘆きも、怒りも、全て、自らの情けなさを隠すための
演技かな、、などと思う私であります。




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