[BlueSky: 5190] Re:5189 水銀評価等


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Wed, 18 Jun 2003 12:35:19 +0900

こんにちは、葛貫です。

山口さん wrote:
> 数年前から海外では国ごとに中央政府の関係機関から、マグロをはじめ
> 大型海産動物の水銀問題をきちんと説明して、特に妊婦におけるリスク
> 管理の啓蒙をしています。(各国のHPで参照できます)
>
> これはすでに周知のことと思っていたので、今回の厚生労働省の遅まきで
> かつ拙劣、そしてマグロ隠しという出し方での報道が大きな疑問符を私の
> 頭の中に残しています。(カジキ類はマグロの仲間ではありません)

思い付いたことをいくつか。

「食品安全基本法が成立 7月にも新委員会設置」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030516-00000056-kyodo-bus_all
「 食の安全確保に向けた基本方針を定める食品安全基本法が、
16日の参院本会議で可決、成立した。食品の安全性を科学的に評
価する食品安全委員会の設置が柱となっており、政府は7月にも同
委員会を内閣府に設置する方針だ。・・・後略」

国が設置する委員会に対し、

食の安全、市民監視委が発足 都内で設立総会
http://www.asahi.com/national/update/0419/025.html
「 政府の食品安全行政を監視する「食の安全・監視市民委員会」
が(4月)19日発足した。政府が食品安全基本法を定め、食品安全
委員会を設置するのに対し、「消費者の声が政策に反映されず、消
費者保護の行政として不十分」と批判。市民の立場から、専門家と
連携して独自に食品の安全性を評価し、行政の施策に対案を示して
いく。 ・・・・後略」

というような市民団体や都道府県等も食の安全に関するチェック
システムを作ろうとしている。

「安全」に関するチェックシステムが複数あった場合、「この程度
安全ですよ」という表現をするグループと、ほらほらほらとリスク
に関する事細かい点(おそらく読み手は、要するにどういうことな
のか、どの程度危険なのか、その実体を理解できないのでは)を列
挙するグループがあったら、どちらの方が、一般受けがよいでしょ
う。

どういう表現をした方が、一般から評価を受けやすいか、権威を与
えられやすいか、政府系とその他の食の安全に関するチェックシス
テムが、立ち上がろうとしている今、各団体、いろいろ考えている
のではないかな、と思うのですが、どうでしょう。

山口さんが仰しゃるように、
> 海外では国ごとに中央政府の関係機関から、マグロをはじめ
> 大型海産動物の水銀問題をきちんと説明して、特に妊婦におけるリスク
> 管理の啓蒙をしています。

一般に、(肉に比べて)魚は安全というような、それほど根拠があ
るとも思えない神話が浸透しているように感じられるのですが、
それだけに、この発表はインパクトが大きく、厚生労働省は、市民
団体等よりも先に発表、啓蒙したかったのではないかなと思います。


厚生労働省医薬局食品保健部基準課のプレリリース
平成15年6月3日に公表した「水銀を含有する魚介類等の摂食
に関する注意事項」について(Q&A)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/06/tp0613-1.html
を読むと、データを挙げながら、懇切ていねいに、書かれているよ
うに思われます。

これ、読み方によっては、妊娠中でも、「メカジキ、キンメダイ
については、1回60〜80gとして週に2回まで食べても安全だよ」
と、責任を持って厚生労働省が太鼓判を押したと思っていいこと
になるのでは?


> マグロ隠しは水産庁の圧力があったからと考えるのが順当な所でしょう。
> しかし、それを疑われることを覚悟した上での圧力がかけられたのであれば、
> 理解ができません。また、今のタイミングでの発表の意味もよくわかりません。


今回のことには直接関係ないかもしれませんが、マグロに関しては、

「<マグロ漁獲>米がEUに削減求める書簡 乱獲で減少」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030504-00002115-mai-bus_all

「国際組織で公海の管理を 乱獲防止で専門家が勧告」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030604-00000035-kyodo-soci

と天然魚の漁獲について強く見直しが迫られているのに対し、

マグロも一定の資源量 水産庁が「現況」まとめ欧米牽制
http://www.asahi.com/national/update/0615/020.html

水産庁はという反論をしているようです。

オーストラリア等からの稚魚を捕獲・蓄養した養殖マグロの輸入量
は増加しており、クロマグロの完全養殖も可能となり、東南アジア
等での養殖も考えられているようです。

きちんとした飼育管理を行うことにより、天然物より水銀含量が少
ないマグロをつくれるかもしれないし、過給餌、過密飼育、薬剤の
不適切な使用等により、水域の汚染を引き起こしたり、疾病が多発
したりして、期待するほどの成果が得られないかもしれない。

養殖ができる分だけ、捕鯨よりややこしい問題になるかもしれませ
んね。


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