[BlueSky: 5017] 戦争の原因


[From] "gengorou" [Date] Fri, 28 Mar 2003 00:22:36 +0900


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戦争の原因
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【未来予測が出来る人間】

未来予測の出来ない生物は、当然のこと外界を変化させよう
と考えることはできないので、未来に対する積極的な対処
を行わない。
しかし、未来予測が出来る人間は、自らの未来における環境
(外界)を、己の有利に変化させようと考えることが出来、
必然的にその行動を行い始める。

ある生物、たとえば都市に住むゴキブリにとっての外界とは、
言わずと知れた人間環境なのだが、ゴキブリは未来予測しな
いので、故意には人間の環境を変化させてはこなかった。し
かし、そのゴキブリはというと、人の未来予測能力と対処に
よりその存続は脅かされている。

多くの動物が、エサではない生き物を死に至らしめないのは、
この未来予測がないからではないだろうか。。。


【未来予測の大きさ】

人にとっての外界(環境)とは、空間的に近い場所から上
げると、それは衣服であり、食物であり、隣人であり、ま
た、その人が属している集団でもあり、さらに、その集団
を取り巻く遠方の場所ということになる。すなわち、人の
未来予測は、ゴキブリのそれと比較して、未来だけでなく
空間的にも大きな広がりを持っている。またさらに、影響
関係から考えた外的な環境を考えると、交通手段、通信手
段が発達し、その量の多さから考えると、人類が経験した
ことがないほどの外的な環境が存在する。そして、この影
響関係の中には人が最も不得意とする心的な環境があり、
人は、なんの論理的な思考もないままに、それらにも対処
しようとしたり、利用したりしている。


【未来予測できる生物同士の関係】

この時、人と人とには、相互の未来予測に起因する様々な
衝突が起きる。人は、人それぞれの立場(環境)の違いに
より外的な環境があり、それが違って存在している。それ
に対しての未来予測なのだから、当然、その未来予測にも
違いがあり、その人と人ごとに違った未来予測の存在が、
行われようとすれば、必然的に衝突がが起きる。

「未来予測の衝突」は、思考過程ですでに衝突を始め、そ
れがその未来予測による実質的な行為になると、物的な衝
突になる。人という心的な生き物のする行為と言えども、
それは物的な所作(存在)だから。。。

衝突の理由には、帝国主義だ、植民地主義だ、民族主義だ
といろいろあるだろうが、それらの主義自体が、未来予測
による行動の指針であるので、すべて未来予測には、必ず
衝突が起きてしまう。


【「有体の存在」と「無体の存在」】

私はこんなことを考えて、人に起きている悲惨な出来事は、
人を取り巻く環境(存在)に「形のない存在」と「形ある
存在」がある為だと感じている。この二つの存在の矛盾、
あるいはズレの様なものに、人が翻弄されている結果、戦
争が起きているのだと考えてしまう。(ある意味、人類は
この矛盾を「戦争」という行為で乗り切ってきたとも言え
てしまう。)

「存在」とは、見えたり触れたりする物的な形が有ろうと
無かろうと、他に影響を与えるものであると考えると、形
のない人の未来予測から生まれる行動や、過去の経験から
生まれる主義などという形のない存在も、人にとっては、
石油や兵器以上に大きな影響の存在だと私は感じてしまい、
この矛盾が生み出すズレが戦争を生んでいるような気がし
てならない。


【悲惨の原因ではなく悲惨さの結果】

戦争が起きると、それを目にしただけの者の心にも、絶望
や挫折、嘆きのような強い感情を生む。つまり全ての人類
が戦争に何らかの形で巻き込まれる。
その時、人類は、「何がどうした」「誰が何した」と考え
始めるが、それらは全部、後付の理由の様な気がしてなら
ない。戦争は、悲惨な原因ではなく、人の置かれた悲惨さ
の結果のように見えてしまう。

                  ゲンゴロウ。。。



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