[BlueSky: 4983] Re:4977 対イラク武力行使


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Fri, 21 Mar 2003 12:07:36 +0900

こんにちは、葛貫です。

昨日は、都心に出る用事がありました。
出かける直前までつけていたテレビではイラク攻撃の始まりを待つ
ばかりという感じの特番で、アナウンサーやこんな時だけ顔を見る
評論家や解説者が高揚した語調で「戦争」について語っていました。

昨日は、地下鉄サリン事件が起こった日。
開戦が差し迫っていなかったら、別の評論家や解説者が、かの宗教
集団について高揚した語調で語る様子が放送されていたんだろうな、
そんなことを思いながら、アメリカ大使館がある赤坂、国会議事堂、
霞ヶ関のあたりを通る地下鉄に乗りました。

小宮さんwrote:
> これから
> 学校では、国連のことをどう教えていけばいいんでしょうかね?

「虹の解体(早川書房)」というリチャード・ドーキンスの本に、

「ガイア」という夢のような空想の中では、全世界はひとつの生命
体であり、それぞれの種は全体の利益のために僅閑雅らの貢献を行
っていて、たとえば最近はすべての生命のためを思って大気中の気
体の含有量を改善するために働いているらしい。
・・・・中略・・・・
この考えの問題点は、個々の細菌が自然淘汰で説明できる以上に
立派でなければならないところにある。細菌は自分自身の必要を越
えた量のメタンを作ることを見込まれているのである。長期的に見
れば、細菌自身の利益になる、などというのは無駄なあがきだ。
確かに地球が滅びれば、細菌も滅びるだろう。しかし、自然淘汰が
長期的な未来を見抜いているはずがない。
・・・・中略・・・・
細菌は自らの利益のために行うことの副産物としてメタンを作り出
すのであり、それが世界にとって有益なのは単なる偶然である。
・・・個体がガイアのために働くのは、それが自分に好都合な場合だ
けである。(p.294‐296)


細菌とヒトは違うだろうと思いたいのですが、そうでもないようで
すね。
身も蓋もない言い方ですが、「国連は、各国の現政権が「国益」の
擦り合わせをするところで、仲良しごっこをするところじゃない。
話し合いの席を確保することにより、テロが避けられる可能性が出
てくるのでは。」と、子供に教えた方がいいのかも。
かの大国のやっていることってテロ行為とどこが違うんだろう。

井上さんwrote【4981】:
> TVで報道された、というと信じてしまう
> 主婦や老人層を狙った洗脳商法ではないかと

この種の問題に関しても、「虹の解体」の「神秘の解体」という章
の中で、偶然に起こる確率を計算しつつ、ひとの記憶が持つ危うさ
をまじえながら読み解かれていました。

ネズミやハトを使った「スキナーボックス」の実験、因果関係の
誤認に関するコメントを読んでいくと身につまされ、「おかしく
てやがてかなしき」という感じです。ご参考まで。


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