[BlueSky: 4665] Re:4664 日本の農業


[From] "RIO" [Date] Wed, 20 Nov 2002 09:34:43 +0900

澤口さんも大熊さんも正解でしょう。
視野の違いだけだと思います。

つまり、現代の(擬似)工業的農業生産では、やらなくて良い
肥料のやりすぎにより、肥料流亡が水系を汚しています。
例えば、米作りで代かきを行った直後に、河川や湖沼での
窒素・リンの濃度上昇が報告されています。

ただし、これは現在の生産体系というかそれを支える人間様の
思考方式の問題です。
農業の分野もどんどん科学的になってきていますが、
その多くは、これまで後進的として退けられていた先人達の知恵が
正しかったことを証明するようなものです。

今までの現代方式。
ひ弱な苗でも、一杯植えて、栄養を沢山やれば沢山取れる。
特に、三大要素(窒素・リン酸・カリ)に特化した肥料を。
土壌分析すると、あれとこれが足りないから、それをサプルメントで
補えば、作物は取れる。
病気が出れば、虫が出れば薬で対処する。

ところが、いくら栄養を与えても、弱い苗の弱い根では、
吸うことができない。与えた栄養は、高い肥料請求書にだけ化け、
後は、流亡するだけ。
米では、実は、珪酸が非常に必要で、昔はすきこんでいた稲ワラが
還元されていたのが、三大要素ばかりに気を取られ、
すきこむ手間を惜しむから、珪酸不足になる。
珪酸不足の稲は、外壁が弱く、病気に弱い。
薬漬けの田んぼ(環境)では、益虫もいないから、結局、害虫には
後手を踏む。

ところが、最近は、丈夫な苗を育てて(最初に手をかけろ)、
出来るだけ薄く播いて、肥料も場合によっては、
稲ワラと米ヌカだけというケースもある。
最初は、見た目みすぼらしい田んぼが、収穫の秋には、逆転する。

何か、子育てとか地域作りの話かとも思う。

なお、農業をしなくても、農産物の輸入により、
水と栄養素は輸入することになりますので、
水系を汚す物質はいずれにせよ、排出されます。

詳しくは、マイHPで(無洗米考)。

小澤 量
有限会社てんち代表取締役
東京都府中市宮町1-34-14
TEL 042-361-2511
E-Mail rio-ozawa@mub.biglobe.ne.jp
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tenchi/


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