[BlueSky: 4526] ふじみ湖保存運動


[From] "Y.mataro.E" [Date] Wed, 28 Aug 2002 11:52:54 +0900

 
 こんにちは。遠藤@埼玉です。
 8月のBeGoodCafeに行ってきました。
 その中でいくつか講演を聴いてきたので、ご報告いたします。
 なお、以下のレポートは私が個人的にまとめたものですので、正式な内容は
BeGoodCafeのWEBサイトhttp://www.begoodcafe.comを参照してください。

 まず最初の講演は、茨城在住の田中宏さんの提唱している、ふじみ湖保存賛
成運動についてです。
 
 BeGoodCafe vol.44
 エコトーク「湧水の幻の湖に廃棄物処理場が」
 講演者:田中宏(ふじみ湖保存賛成運動)
 時間:15:45〜16:15
 場所:Za Houseビル3F

 ここから高橋さんの話
 日に焼けているが、私の本業は庭師である。今年はこの問題に関わっている
から仕事はいつもの半分だが、この問題は楽しみながらやっている。
 今日のお願いは緊急だ。「みどり湖」が10月から水を抜き初めて埋めてし
まうということで、どんどん予定は進んでいる。だがこの湖は世間に知られる
ようになってからまだ1ヶ月しか進んでない。先月テレビで取り上げられ、そ
れがきっかけで地元民に知られるようになった。工事が10月だから、来月めい
っぱい運動すれば面白い展開になると思う。このことに関しては放送もあるし、
国会議員も動き出す。日本中・世界中にこんな湖があることを知ってもらいた
いと思って、茨城からやってきた。

 スライドここから

 この湖は、私が住んでる茨城県笠間市にある田んぼのすぐ脇にある。もとも
とは国有林で富士浅間神社をお祀りしていた信仰の場でもあったが、いろんな
経緯があって採石場になっていた。川も流れ、民家に近いので水道水の水源に
なっている。 
 これだけ青くて透明な水は西日本にはなく、東日本でも北海道をのぞくとこ
こくらいだろうといわれている。湿地帯があり、珍しいトンボが生息している。
山桜もあり、四季の変化があって素晴らしい。お米も大変おいしくて、東京か
ら注文が来ている。カタクリの花が生息していて、わき水が多かった。普通の
農家の片隅にカタクリが咲いている。周囲は貴重な動植物も生存している。
 深さは39m、だが茨城県はここを「水たまり」といっている。だが地理学で
は一番深い地点の水深が5m以上のところは「湖」である。だから私はイベント
で「ここは湖だ」ということを強調するためにTシャツを作った(この日もそ
のTシャツを着用していた)。

 スライドはここまで。
 続いてビデオ放映
 
 ビデオここから
 自然がどんどん回復している。水が透明でそのまま飲める(今は守衛さんが
いるために入れない)。「噂の東京マガジン」でも取り上げてもらった。放っ
ておくと10月に埋め立てられてしまう。わき水だから1日100tあふれてい
る。最低で700tも水がわいている計算。
 
 以下、シキタさんと田中さんのやりとり
 
 シキタ(以下S):茨城県のほとんどの人もこの湖のことを知らないのはどう
してか?

 田中さん(以下T):ここが民営地になっていて、立ち入り禁止だというのが
一つ。行政からも「ここは非常に危険だから近づくな」というお達しもあった。
 S:普通の方にとっては、見える場所がないということか?湖は山に囲まれ
ているからか?

 T:そうです。ですから遊歩道と展望台を作って、この湖を見てもらう運動
をしている。

 S:この湖のことは以前から知っていたのか?

 T:去年の秋に話だけ聞いて知っていた。実際に見て、こんな透明な水があ
ったのかと知ったのは今年の正月。自分かこの湖から2kmのところに住んでい
るが、今までそんな湖があるとは知らなかった。地元の人間が知らないくらい
だから環境団体もこの湖の存在を知らない。 近くの湿地にはハッチョウトン
ボという珍しいトンボが生息している。また、世界一小さいトンボがたくさん
いる。1ヘクタールくらいしかない湿地に40種類のトンボがいる。敦賀(福
井県)で今年「トンボサミット」が開かれたが、2年後の「トンボサミット」
はこのふじみ湖でやることが昨日決定した。お役所にはプレッシャーになると
思う。

 ビデオを見ながらシキタさんの質問
 S:これはTBSの番組で取り上げられて一気に広まったようだが、田中さ
ん達がTBSに話を持ち込んだということなのか?

 T:メールでテレビ局に伝えたが、この問題がきっかけでメールに凝ってい
る。国会議員達にメールを送ると電話が来たりと、いろいろ面白い。

 S:今放っておくと、いつ共同処分場になってしまうのか?

 T:着工は10月。だから9月中に環境大臣に申し入れをおこない、国会議
員も巻き込むなどいろいろアクションを起こしたいと思う。わき水のこれだけ
大きな湖を埋め立てるというのは、人類始まって以来のことらしい。このわき
水は蒸発する水の量を計算しても、夏場蒸発する以外にも100t湧いている
し、地下から湿地帯にも何100tも抜けている。少なく見積もっても、7〜
800tは湧いており、川には流れ込んでいない。それでも県は「水たまりだ」
といっている。

 S:県は「湖」と認めてしまうと、処分場にしてしまうには都合が悪い。だ
から彼らはここを「湖ではない」と言い張っているのか。

 T:そうです。

 S:先ほど(このトークが始まる前に)田中さんに伺ったのだが、県は調査の
前にわざと何らかの手段で水位を下げている。だから「深くないから湖ではな
い」ということまで結果を出しているのか。

 T:湖と湿地帯の間に小川が流れている。小川は水位が下がると涸れてしま
う。県会議員や知事に見せる時は、水位を下げ、小川が涸れた状態で見せる。
どこかに悪代官がいるのだろう。

 S:こんないいところなのに、どうして処分場にしてしまうのか?
 
 T:土地の所有者が1人だけとか、道路が近いとか、いろんな状況があると
思う。問題は、現場を見ないで決めてしまったということだ。

 S:この土地の所有者が1人だけで、県か農家に処分場として売ったという
ことなのか?
 
 T:県は土地をまだ買っていない。我々がこの土地を買ってもいい。我々に
土地を売れば、地主さんは正義の味方になる。その人の頭文字をとった「○記
念自然公園」と名付けてもいい。

 S:再来年「第15回とんぼサミット」というのがこちらで開かれますね。
 
 T:敦賀に派遣している仲間から「次回のサミットはここで開かれる」と連
絡があった。自然を守る活動をしている市民の交流の場なので、彼らの目が一
斉に注がれることになる。だから環境省も動きが替わるだろう。ゴミの減量化
など地元自治体のやっていることが遅れている部分があり、自発的にどんどん
やっていかないと説得力はないだろう。

 S:これからはどうやって処分場建設をストップさせるつもりなのか?
 私達には何ができますか? 
 
 T:アセスメントがいい加減なので、再調査をするために一時延期をしてい
ただくという申し入れを、県知事に飲んでいただくのが一番いい。子供たち、
大人、学識経験者を含めて一番大きいのは世論だと思う。ビデオやスライドだ
けでは十分伝えきれない。だから、現場を見ればわかる。身体全体、皮膚感覚
で感じていただくと、湖からパワーが来ているということがよくわかる。現場
に来られない方はHPにアクセスしていただく、掲示板に書き込んでいただく。
日本全国、世界中に広げていきたい。

 S:これだけ透明度の高い湖で湧き水の湖自体非常に希有なものだそうで、
これは私達みんなの財産として守って行かなくてはいけないですね。どこかに
悪代官、「ちいさなムネオ」がいっぱいいるとか。

 T:だから「ちいさなムネオ」さんを「大きな愛」で包んでいきましょう。
この湖は大雨でも全然濁らないし、水位が一定している。これは自然湖の特徴
だ。人為的だというが、自然保護条約では人為的な自然も守らなくてはいけな
い。私有地だという言い方もされているが、尾瀬は私有地だ。私有地でも国立
公園になれることになっている。だから、いろんな意味で県の論理は破綻して
いる。これはビッグチャンスだし、子どもでもわかる。とにかく前例がない。
だから茨城県知事をバカ殿にしてはいけない。

 報告はここまでです。
 ふじみ湖保護運動のHP
 http://homepage3.nifty.com/fujimiko



☆☆☆☆☆☆☆―――――――――――NO WAR!
夢と希望がある限り   
     私は決して諦めない!!         
      遠藤 嘉則  Yoshinori Endo
        mataro@ss.iij4u.or.jp
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