[BlueSky: 445] 子供の遊び、学校教育、反戦 Re:442 ,440


[From] Ken Goto [Date] Sun, 15 Aug 1999 10:42:09 +0900

青空MLの皆さん
                  後藤@帯畜大です。

本日は終戦記念日ですね。

ゲンゴロウさん【442】:
> でも、いつも被害者意識しか持ち合わせていないのではないでしょうか。
> 私、思うのですが、
> 強いて被害者意識を捨て、加害者意識を持たなければいけないと思います。
全く同感です。

あの時代、治安維持法下、なかなか困難な状況ではありましたが、それでも、反
戦のために戦った人はいます。

・・・共産党員、キリスト教信者(の一部)、自由思想家、、、

けれども、そうした思想「偏向者」に対して非国民呼ばわりしたのは誰でしょう
か?また、在日朝鮮人や在日中国人を迫害・虐待したのは誰でしょう?

軍国教師も、戦後は、その大半がころっと、民主教師に変身します。

・・・なんなんだ、おまえ!ずるすぎるだろ!

力ない国民ではありますが、しかし、保身を最優先するということは「好戦」で
あり、差別感情もまた「好戦」です。

・・・僕が思春期前には十分な遊びを、と主張する根拠の一つもここにあります。

いくら、思春期前の児童に反戦思想を教えたところで、その児童に「確か
な人間愛」が育成されていなければ、上述の軍国教師(民主教師)を養成
するだけのことだからです。

ゲンゴロウさん【442】:
> 「愛があるなら戦争で戦え」じゃあいけないと思うのです。
> 「愛があるなら徹底的に戦争を回避」だと思うんです。
全くその通りですね。

ゲンゴロウさん【442】:
> で、「平和教育」は、戦争を教えることではなく、
> 秩序の維持の難しさや、加害者意識の確立や、人間の錯覚や、
> 価値観の本質、物事を動かす本質の曖昧さを教えることだと
> 思います。
思春期以降の教育として、全く同感です。

もう一つ思いつくことは、ゲンゴロウさんお得意の「集団生物」。

人間は群れ動物ですから、自分の群れ内部には暖かいですが群れの外には冷たい
ものです。

ですから、幅広い人々との交流(遊び)を通じて、思想・信条、地位・身分、人
種、、、の違いにかかわらず、みんな友達なのだ、ということを「実感」してお
れば、(それが、十分条件ではありませんが)戦争回避のための使徒になってく
れる必要条件を備えています。

・・・いじめを作り出す、現代の学校システムは極めて「好戦」的、といわざる
を得ません。いくら「反戦思想」を説いても駄目なのです。

頭で「差別はいけない」と考えていても、極限状況では通用しません。

可愛い子には旅をさせよ。

また、もう一つ思い付くことは、自由の尊重です。

【理想的兵卒はいやしくも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に
服従することは絶対に責任を負わぬことである。すなわち理想的兵卒はまず無責
任を好まなければならぬ。】(芥川、侏儒の言葉、1927)

上述の「軍国教師」(民主教師)が理想的兵卒であることは明らかですね。人間
は自由を好むものですが、同時に自由ほど重いものはありません。このため、自
由を制限されて、それに耐えているうちに、「無責任の味」をしめて行くように
なります(「いい子」はこのタイプですね!)。気楽なのです。

・・・現代の、校則で雁字搦めにした「管理教育」も、実は好戦教育にも繋がっ
ていることになると思います(もちろん、好戦を意図している、などとは
言いませんが)。

以上、反戦がテーマでしたが、環境教育も、問題の本質は同じ、と僕は考えます。
思春期以前と以降では、人間が生まれ変わります。この違いを十分配慮した学校
教育を望みます。

国家リーダーと庶民とでは、当然、責任の質が異なります。ここでは、庶民はど
うあるべきか、という視点に限定して話をすすめたことをご了解ください。


後藤 健
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帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612

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