[BlueSky: 4441] ブランドブームは大量消費社会を変えられるか


[From] "稲垣 武司" [Date] Thu, 20 Jun 2002 00:03:16 +0900

 ワールドカップの熱戦が、毎日繰り広げられている中、皆様如何お過ごしで
すか。
 時差を気にせず試合を楽しめる、と思ったら、就業時間と云うより大きな壁
に阻まれ、涙を呑んだ方も多いのではないでしょうか。・・・ご愁傷様です。

 さて、話をまるで違うところへ・・・
 世の中、ブランドブームと言われて既に久しく、昨今は、高校生のお子ちゃ
ま方もそう云った物を持ち歩くとか。(今の時点でこんなことを言っている私
は、随分遅い?)

 まぁ、鞄にしろ靴にしろ時計にしろ、「大量生産の効かない職人さんの手仕
事の良さ」が、見直されてきている、と、好意的に受け止めるよう努めてはい
るのですが・・・。なんとなく、しっくりこない。

 ブームに踊らされるわけでも、それを煽るわけでもありませんが、今現在
『ブランド』と称されるメーカーさんの品物はやはり良い物が多いと思いま
す。手近なところで見回しても、そう思わせるだけの我が儘を、私は言ってき
ました。
 『プラチナ』の万年筆。何度、ペン先潰して修理に出したか。(その度に快
く応じてくださいます)
 『リュージュ』のオルゴール。購入時に随分面倒を掛けました。お陰で5年
たった今も、調律の必要が無いそうです。

 筆記具で言いますと、『モンブラン』や『クロス』は、「機構上の欠陥及び
それが原因のトラブルは、何年経過していようと、無償で修理・交換に応じ
る」と、云う姿勢を執っているようです。

 それらのメーカーさんの姿勢から考えるに、『ブランド』と称される物の
『良さ』は、品物自体の『品質の良さ』とは別に、『手に届くのでの調整の良
さ』と『アフターメンテナンスの良さ』に有るのではないかと、勝手に思って
おります。
 つまり、こちらが長く使ってやる気で良い物を買い、相応の手を掛けてやれ
ば、幾らでもそれに応えてくれるものだと。

 しかし、どうも今のブランドブームと言う奴は、その辺りが上手く機能して
いないような・・・。
 もし、沢山の人がその『良さ』に気付いてそれを上手く使い始めたら、この
『大量消費型社会』と云う奴も、少しは真っ当な方向に向かうのでしょうか。

 尤も私が張り手なら、そっちには絶対に賭けませんけどね。

 そうそう、失敗談を一つ。
 私は、数少ない(と、自称する)和服派で、休日はたいてい和服なのですが
・・・「安くて自宅で洗える」からと、化繊の反物で作ったらはずれました。
 暑いし、寒いし、肌触りは良くないし。おまけに、3年で着れなくなりまし
た。
 「大島(紬)は3代・100年着倒せるって言うし、普段着の綿の浴衣だっ
て、もう10年近く着てるのに・・・」と、文句を言ったら、結城(紬)と
(越後)上布を勧められました。
 皆さん、売り手さんの前では言動に注意して、くれぐれも、衝動買いを為さ
らないように・・・。
 
羽花 u-ka-3791-ayame@k9.dion.ne.jp




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