こんにちは、佐川です。
Kimio OTSUKA <kimio-otsuka@nifty.com>さん:
> と、いうことは、昔、バキュームカーで屎尿のくみ取りを行っていたときの方
> が、屎尿の窒素、リンの処理が完全だったわけですね。
長年の改良の積み重ねの結果、現在の100%近い窒素・リンの
除去率が達成されているので、昔からそうだったわけではないよ
うです。
現在でも窒素・リンの排出はゼロではないようです。
参考『生活排水処理システム』〈技報堂出版〉
> 屎尿以外の生活排水に含まれ、かつては無処理で下線に流れ込んでいた窒素・
> リンの量が屎尿中の量よりもずっと多ければ別ですが、そうでなければ、下水道
> の普及は河川や湖沼を汚すことになるのですね。
>
> うーむ、私も初めて知りました。
有機汚濁と富栄養化は別に考えた方がよいと思います。
くみ取り便所の地域では、生活排水が未処理になるため、
河川・湖沼が汚濁しています。
富栄養化については、下水道の影響というより、水洗
トイレの影響でしょう。
> いろいろ調べていただいている上にお願いして恐縮ですが、下水の普及によっ
> て(屎尿以外は無処理だった場合に比べて)差し引きどれぐらいの窒素・リン排
> 出量の増加になるのでしょう?
一般的な家庭では、し尿由来の窒素が7〜8割、リンが
6〜7割といわれています。
古くから普及している下水処理法の標準活性汚泥法では
窒素除去率が約30%といわれていますが、現在普及し
つつある高度処理では、90%近い窒素・リンの除去が
可能といわれています。
今後新設される下水処理施設が、そのような高度処理が
可能な処理施設であるなら、排出される窒素・リンは増
えないということになります。
また、古くから下水道が整備されていた東京都などは、
新しく更新する施設には高度処理が可能な施設に置換し
てゆくと思われますので、窒素・リンの排出量が減少し
てゆく可能性が高いです。
それでは。
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