[BlueSky: 3683] Re:3680,3681 シカに伝染病


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Wed, 3 Oct 2001 16:31:00 +0900

こんにちは、葛貫です。

佐藤さんwrote:
> 同じような病変を示しても、原因は全く別ということも多く
> あります。鹿のTSE=プリオン病(or nvCJD)とはまだ誰も言ってないはずです・・
> ・・。

プリオン病ではない、鹿のTSEというものあるのかもしれませんが、
2000年1月5日のNature JapanのサイトのBionewsで
「狂牛病は人間に伝染するのか プリオン病の交差感染について」
という記事をみかけました。
#今日現在、サイトから見ることができるかどうかわかりません。

*****
狂牛病(BSE)のようなプリオン病は、関係が遠い種類の生物の間で
交差感染することはないらしい、という新しい研究結果が得られた。
米国モンタナ州ハミルトンにある米国国立衛生研究所ロッキーマウ
ンテン研究室のGregory Raymondらは、シカの異常な「慢性消耗病」
を引き起こすプリオンは、ヘラジカのプリオンタンパク質には大惨事
をもたらすが、ヒツジやウシ、ヒトのタンパク質には殆ど影響を及ぼ
さないことを明らかにした。
・・中略・・
シカのプリオンタンパク質はヘラジカの正常なプリオンタンパク質の
10から15%を病原性の異常なタンパク質に変換することがわかった。
ヒツジの場合、変換の起こった割合はこれよりずっと低く、ウシと
ヒトでは殆ど影響がなかった。彼らの実験結果はEMBO Journalの2000
年9月号に掲載されている。2種類の動物が近縁であればあるほど、
1方の種類の異常なプリオンタンパク質が他方のプリオンタンパク質
を病原性に変える確率が大きくなる。動物が近縁なほどプリオンは
よく似ているだろうから、この結果は理にかなったものだと思えるが、
種のちがいがつねにプリオン伝達を防止するとは限らない、とWeissman
は言っている。プリオンの構造の一部が決めてになることがありそうだ。
・・中略・・
プリオン病が種間でどの程度の伝染力を持つのかについては、比較的
少しのことしか解っていないが、それは、生きた動物を使った実験
では結果が得られるまでに数年かかるからである。
・・中略・・
人間がシカの慢性消耗病に伝染することはあるのだろうか。Raymondは、
シカのプリオンタンパク質は確かにヒトのプリオンの転化を起こすので、
理論的には伝染の可能性はあると考えられるが、彼の評価する限りでは、
それは望み得る最低の確率であると言っている。シカと人間のタンパク
質は構造がちがうことからうまく合わないので簡単に結合することは
なく、それが感染に対する障害となっている、とこのチームは考えている。
*****

大塚さん:
> HIV も 肝炎も 医原性の CJD も同じ構図だな、と感じます。

そうですね。
薬害エイズ問題で、官僚が刑事裁判にかけられ、その不作為に有罪の
判決が出ましたね。行政の機能不全とういか、税金で養って、それなり
のステイタスを与えておく必要があるんだろうか、と思っしまうような
仕事(?)しているところ「も」あるようですね。
第三者機関による査定のようなものがあった方がよいのでしょうか。





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