[BlueSky: 3681] Re:3678 BSE と舌


[From] Kimio OTSUKA [Date] Wed, 03 Oct 2001 13:29:56 +0900

大塚です

病気のことなので、念のため書きますが、私は医師ではありません。

葛貫さん[3678]:
>
> 狂牛病や人のクロイツフェルト・ヤコブ病 (nvCJD)に関しては
>
> <識者に聞く>狂牛病のナゾ なぜ牛に伝染、肉骨粉が元凶
> 山内一也・東大名誉教授
> http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt15/20010930eimi149030.html
>
> 狂牛病の正しい知識 
> http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/bse.html
>
> 人獣共通感染症(Zoonosis)連続講座http://www.primate.gr.jp/yamanouchi/index.html
>
> 等に、詳しい説明が載っていました。

 ここらへんが定番のようですね。
 ちょっと補足をしておきます。

 危険な部位のリストが新聞にも出ていました。

<狂牛病感染の危険度>(毎日新聞)

 (EU医薬品審査庁による分類)

【高度感染性】脳、せき髄、目

【中度感染性】回腸、リンパ節、近位結腸、ひ臓、へんとう、硬膜、松果体、胎
盤、脳せき髄液、下垂体、副腎

【低度感染性】遠位結腸、鼻粘膜、末しょう神経、骨髄、肝臓、肺、すい臓、胸
せん

【感染性なし】凝血、ふん便、心臓、じん臓、乳せん、乳汁、卵巣、だ液、だ液
せん、精のう、血清、骨格筋、こう丸、甲状せん、子宮、胎児組織、胆汁、骨、
軟骨組織、結合組織、毛、皮膚、尿

 「狂牛病の正しい知識」で「また,牛由来の製品で,あれが危ない,
これが問題だと,根拠もない憶測を垂れ流す前に,せめてWHOの見解ぐら
い勉強してもらいたいものです.」とあった WHO の見解のもとネタもこ
れのようです。

 高度と中度の間でも危険性は桁が一つならず違うようです。

 さて、「狂牛病の正しい知識」で

  「すべての牛に関して,脳,脊髄,舌,脾臓,胸腺,腸といった内臓
 を人間の食用にすることを禁じました.これらは,もしその牛がBSEにか
 かっているとすれば,プリオンがたくさんいる可能性のある内臓です.」

 とありますが、「舌」は上記のリストのどこにも−感染性なしにも−
出ていません。
 私は牛タンが好きで、先日仙台に行った際にもお土産に買って帰った
こともあり、調べてみました。
 現在のところ、主に筋肉と結合組織からできている「舌」は【感染性
なし】に含まれるだろうと考えています。
 例えば、
http://www.lin.go.jp/alic/week/2000/jun/442eu.htm
 で、頭部全てを捨てる対象でも「舌」は OK というような記述がみら
れます。これは、
・舌は感染性のない組織からできている。
・頭部から取り外す際に、感染性がある部位を傷つけてその破片が
 付着してしまう心配が少ない
 ことによると思います。

 「狂牛病の正しい知識」では、「舌を除く」の「を除く」が見落とさ
れ可能性が高いと考えています。

それにしても、今になって『農林水産省生産局が公表している「牛海綿状
脳症(BSE)Q&A」』
http://www.lin.go.jp/search97cgi/s97is.dll?action=View&VdkVgwKey=http%3A%2F%2Fcal
i%2Elin%2Ego%2Ejp%2Fcali%2Fmanage%2F137%2Fm%2Dtisiki%2F137mt1%2Ehtm&DocOffset=6&D
ocsFound=1120&QueryZip=BSE&SearchUrl=http%3A%2F%2Fwww%2Elin%2Ego%2Ejp%2Fsearch97c
gi%2Fs97is%2Edll%3Faction%3DSearch%26QueryZip%3DBSE%26ResultTemplate%3DResult%252
Ehts%26QueryText%3DBSE%26ResultStart%3D1%26ResultCount%3D10&&ViewTemplate=view%2E
hts
(長い URL ですみません。畜産情報ネットワーク http://www.lin.go.
jp/ で BSE で検索すると、はじめの方に出てきました。)

 を見ると、HIV も 肝炎も 医原性の CJD も同じ構図だな、と感じます。

大塚公雄
東京医科歯科大学


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