[BlueSky: 3666] Re:3662 虫は虫なり (アメリカの性格)


[From] "gengorou" [Date] Wed, 26 Sep 2001 21:05:19 +0900


ゲンゴロウです。
***************


>ゲンゴロウさん、 こんばんは。  識@千葉です。

識さん、こんばんは、です。。
返事が苦手な私ですが、今回は長くなってしまいました。
返事になっていないような気もしますが、よろしかったら
読んでください。

>亡くなられた、そしてこれから亡くなられるに違いない人々の無念さを、私が本当に
>理解し得ないのが悲しい。

上の、識さんの、おっしゃった二行に思うことがありました。
もしも人間に、殺される者として「死の恐怖」という感情だ
けでなく、他者の「死の無念さ」を知る能力があったなら、
テロとか戦争などといった人殺しを伴う行為は、はるか昔に
なくなっていていて、テロとか戦争などという言葉さえなか
ったでしょうね。
・・・でも、その様な能力は、私たちに備わっていない。そ
れが悲しいですね。
・・・しかし、たとえその能力がなくても、識さんが、その
悲しみを認識しているように、「他者の無念さを知る能力が
ないこと」そして「それが悲しみを生む原因」ということだ
けでも認識できたなら、ことは違って行くような気がします。

>昨今のマスメディア情報を見た限りでは,「政治をするサル」のそのものですね。
>「チンパンジーの群は閉鎖された集団であり,暴力と移住の他には、群どうしの交流
>はまったくない」
>大枝を引きずりまわしてディスプレイするアルファー♂のもとへ、ヘコヘコと毛づく
>ろいに誰かかが飛んでゆきましたね。

この部分を読んで、以前から考えていたことを思い出します。

私たちは、なにか、話し合うこと、共感すること、理解し合
うこと、助け合うことなどなどを、疑いもなく「善行」「美
行」としていますが、それらは全て互いが関係を持つことを
前提にしてます。関係を持たない行為によって世界が共に共
存する方法を考えてみる「のも」いいかもしれません。。
前述したように、もしも人間に「共感」などという能力が欠
如しているなら、あるいはコミュニケーションの方法が未熟
なら、関係を強く持とうとすること自体の中に、戦争などの
火種が隠されてしるのかもしれません。。

話は長くなりますが、、、、
私は時々、あの渋谷の雑踏を歩いていますが、その時に思う
のは、「よくもこう人間がたくさんいて争いが起きないもの
だ・・」です。もしも、あの渋谷を歩いている人々に「関係
することは正しいこと」という価値観があったなら、もしか
すると、争いが増すような気がします。だれもが他者と交わ
らずに話しかけられても無視できる関係が維持されているの
で、それが争いをなくしているのではないでしょうか。
誰かが転ぶ。それを無視すると、「なぜ手を貸さないのか」
と責めれ、責めた人間を責める人間が現れ、その人間にも
他者が反応してしまったら、、あの渋谷の様な繁華街では年
がら年中、騒動が起きてしまうような気がします。
 あと似たようなことで思うのは、それまで田舎であった土
地が開発され、新興住宅地化すると、どうも事件が多発する
ようです。それは、、「近所は互いに助け合う」という
「疎」の中で育った価値観の中に、都会から移り住んできた
「近所との関係を疎にする」価値観とがぶつかるからとか、
あるいは、「疎」でなくなった「混」の中で、「疎」の価値
観が、問題を起こすからではないかと、思う時があります。

・・・更に暴走。。。。
アメリカなどのような、パフォーマンス国家(言い過ぎ?)
では、何か事が起きると何かすることが「善」となり、しな
い大統領は無能になりかねませんが、何もしないことも一つ
の行為であるという思考を持つなら、「しないことをする」
という選択も生まれる可能性があるような気がします。
今回のテロ事件では、なにもしないことをする訳にはいかな
いと思いますが、それ以前に、何もしないことをするという
選択肢があったなら、と思わずにはいられません。。
「いつも何かをしていることが正しい」という思考は、あの
アメリカだけに限らず、あるのか?ないのか?を、もう少し
考えてもよいように、私は思います。

>ゲンゴロウさんの思索[BlueSky:3660}は、マット・リドレ―の「社会的協調性と美徳
>を回復するためには、国家の権力とその作用範囲を縮小することが絶対不可欠であ
>る。それは万人の万人に対する熾烈な戦いを意味するものではない------」「われわ
>れは同等なもどうしの社会的物質的取引を奨励していかなければならないのだ。なぜ
>なら、それが信頼のもとであり、そして信頼こそが美徳をつくりあげるものだからで
>ある。」(徳の起源、翔泳社)という考えに収束していくように感じています。誤解
>かもしれませんね。

いろいろ考えると、具体的な対策のことはよくわかりません。私の
考えを進めると、ご紹介の説になるのでしょうか。。。どうなのか。。
よくわかりません。

私の「アメリカの性格」の意見は、「アメリカ」を例にしただけで、
アメリカだけの話ではなく、「システムと人間の思考には関係がある」
という話しの例でした。
私には、だからどうしたらよいかは、まったく考えられません。

しかし、問題点の発見と、その解決方法とを考えると、いつも思うの
ですが、二つのことは別に考えた方がいいように思えます。
問題点が見つかったなら、すぐに対処方法を考え始めることは、確か
に大切ですが、その時には、「対処不能」という答えが捨てられてし
まっているように思います。
たてば、先の例、「システム自体が人間の意識に影響を与えている」こ
とが、もし明らかな場合、その対処方法よりも、それが「ある」という
ことをもっと深く考えるべきだと思います。

答えのない問題はその問題自体も存在しないことになってしまうこと
が多々あるように、私は思うので、解決する方法がない時点では、
解決を急ぐために、目先の対処方法にすぐに飛びつかない賢明さも
必要になるように思います。

またアメリカを例にしてしまいますが、今回の「テロ」に対して、
アメリカが「対処不能」という時点でとどまれれば、つまり、もしも
大統領が「現時点で直接対処するのは、まだ無理です。対処不能です」
と言って、アメリカ国民が「そうだよな〜」と思えるのなら、事は、
新たな解決の方向性も持つことができるようになるような気がします。
「対処不能」の時に、「対処するべし!」という選択肢しかなかった
なら、報復戦争に進展するのは、当然ではないかと思えます。
(さまざまな理由をつけて・・・)
つまり、もしかすると、戦争は、人間同士の問題ではなく、ことを急
ぐことによって起きている可能性もあるのではないかと、思ったりも
します。

  #以上は、私なりの、一つの考えです。。。

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  ■私の本の紹介 →【人間物語】−存在・時間・意識− ■
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