[BlueSky: 2920] Re:2917 狂牛病・続報


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 15 Feb 2001 16:21:31 +0900


葛貫です。

佐藤さん:
> newscientist(http://www.newscientist.com/dailynews/news.jsp?id=ns9999410)
> を覗いてみたら、タイで2人がニューバリアントCJDにかかっているかもしれない

> んてニュースが載っていました。(韓国でも一人)。記事が簡単すぎて詳細(何処

> 確定診断したかなど)は分からないのですが、間違いであって欲しい物です。東南

> ジアや中国では牛の脳や脊髄は重要な食用部分ですから、イギリスよりNvCJD感染

> 危険が大きい。


「異常プリオンが、脾臓などのリンパ組織で、もともと体内にあった正常プリオン
に働きかけ構造を変化させ、増殖してから白血球により血液を介して中枢神経
に運ばれ、脳に海綿状変性の病変を形成して病気を起こす」というメカニズムで、
海綿状脳症が起こるとしたら、ウシだけ気にしていても仕方がない気がします。
「狂牛病」という名称で調査を進めるのではなく、プリオン・海綿状脳症で括って、
広範囲の動物(植物は大丈夫なのかな?)のプリオンを調べて、それらがヒトの
プリオンの構造変化の原因となり得るか確認する必要があるのように思われます。

残念ながら、私はNatureのバックナンバーを見られる環境にいないのですが、

プリオンの系統樹(類縁関係)は33種の動物間で描かれており、
ヒトとウシのプリオンに予想外のconvergenceが見られるそうです。
Kurakauer DC, Pagel M, Southwood TRE and Zanotto, M de A(1996)
Phylogenesis of prion protein. Nature, 380: 675

という情報を戴きました。

先日、新聞で読んだのですが、異常プリオンは安定な物質で酸や
アルカリにも強く、不活性化するには130℃以上で処理する必要が
あるそうです。海綿状脳症の疑いがあるものは焼却処理されていると
思いますが、煮沸処理とか、せっけんで洗う程度ではダメなんですね。
処理する現場の人達が、それなりの危機感をもって、きちんと処理し
てほしいな、と思います。(雪印やJCOのようでは困る。)

では。





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