[BlueSky: 2896] 複雑系


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Mon, 12 Feb 2001 09:31:21 +0900

澤口@一升金です。メールが届かなかったようなので、再送します。
重複していたらすみません。

Kaz. Yokoyamaさんの<20010210165133.2ffa02bc.27025@nifty.ne.jp>から
>大いに関係有りです。畜産廃棄物の分散処理プラントを動かす電力をガス発電で起こす
>ことが出来れば、例の送電のコストを減らせますし、北海道のような寒冷地では冬場の
>温度低下による発酵過程の遅滞も防ぐことが出来ます。その為に、川鉄みたいな大会社
>の作る大施設ではなく、町工場みたいな事業者が知恵を絞って、持ち運び出来るような
>コンパクトなもの作って欲しいです。>一升金さん期待してまっせ!
それ以前の問題として、そもそも地震の無い国で設計されたプラントに
頼っていいのか? という考えがあります。
先進的だからいいだろう、という理屈なら、原発も南ア産の小型原発を
持ってくれば今より多数設置してもいいということになりますし。
また、日本の牛舎では敷料に稲藁が多く使われていますが、デンマーク
では多分稲藁の発酵はしたことが無いと思いますので、運転技術などは
少しく別になってくるでしょうね。
均質な畜糞を将来にわたって大量に安定供給できるとは考えにくいので、
稲藁、おがくず、バーク、生ゴミ、浄水汚泥、下水汚泥の混合供給にな
ると思うのですが、天然ガスも供給してしまって燃料も混合してしまえば
長期安定運転になるかも知れません。
こういう場合、運搬車が共通になりませんので、コスト難になってしまい
ますが。
さらに、農家側からすれば、返される有機肥料がどう考えても必要量より
過剰になりかねません。余剰温水も農家に返しようがないでしょうから、
大型ハウスでも併設して花卉園芸でもすることになりますか。
メタン発酵させた場合、成分が窒素過剰になります。有機とはいっても化
学肥料同然の即効性肥料になりますから、使いづらいのではないかと思い
ます。
大規模バイオマス発電は地域経営的には一種のアウトソーシング化という
ことになりますが、こと環境のからむ問題を単純にアウトソーシングして
いいものか、という疑問もあります。資源が個別農家の手を離れてしまえ
ば金銭経済的なやりとりしか残らないのではないでしょうか。
従って、エネルギーフロー、マスフロー、キャッシュフローを網羅した上
で、環境発展、意識向上のストーリーを構成する必要があります。
多次元・多目標計画ですから、これはDGCの仕事でしょう。(^^;
当地(岩手)では大規模畜産が少ない(計画はあったが、全部潰れた)の
で、活動的には木質バイオマス活用の方が活発です。発電量的には小さく
ても、森林保全コストに寄与しますから、結果的に森林成長につながり、
炭素の固定化に役立つわけですね。スラリーの運搬より木材やチップの運
搬のほうが問題少ないですし。ここらの寄与計算もDGCで・・・
個人的にはチップ+畜糞混成で中温発酵させ、マイクロガスタービンで
プロパン等と混焼してしまうのが実用的ではないかと思うのですが。
堆肥をミミズ養殖に使い、これを餌としてタービン廃熱で暖めた池でスッ
ポン養殖をするわけです。


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