こんにちは、葛貫です。
小宮さん：
> 僕は遺伝的に血のつながった子供を持ちたい、というのは人
> の根源的な欲求で、もしクローンが技術的に可能になれば、
> 治療に使いたいということにはなかなか反論できないと思いま
> す。
人クローンとか優勢思想の話ですが、技術的に可能なら、
ゲームや映画、ＴＶ番組を規制したところで、需要がある限り作
られ、闇ルートで流通するのと同じように、技術を開発した人には
使ってみたいという欲があるでしょうし、ほしい人は、どのような
手段ででも、手に入れようとするでしょう。
問題は、ほしいものを手に入れたあとです。
子供は、親の思い描いた通りに育つことは、まず、ない、そして、
リセットするわけにもいかない「いきもの」なんですよね。
４人育てて、実感しているのですが、生れたばかりの子供は、親の
コントロールに従うしかないけれど、いずれ（うちの場合は「もう、
すでに」ですが）、自らの意思を主張するようになり、産み出した親
と物理的にも知的にも対等になり、超える時がやってくる。
この過程は、親にとっても子供にとっても生易しいものではないです。
出来上がりを思い描いて、よいと言われる遺伝子を選んでつくった
子供と親が、当初思い描いていた甘い関係とは全く違う関係に陥っ
てしまった場合、親は期待が大きかった分だけ許せない想いを持
つかもしれない。子供はイメージした完成品をほしがり、こんなはず
じゃないと、自分自身を受容してくれない、親と向かい合わなければ
ならない。これって、あまり幸せな構図ではないような気がします。
思い通りにならなくても、夫と自分の遺伝子が適当にミックスされ、
潜在していた遺伝的性質と、環境と相まってこんなになっちゃった
のねと思うと、面白く思える時もあるし、不都合なところは、相手に
似たんだということにして、そんな相手に惹かれて結婚しちゃった
んだから仕方ないと思うことで、お互い、あきらめもつきやすいかも。
私は、自分の中の「リセットしたくなっちゃう衝動・その権利があるか
のように思い込める可能性」と対峙するのがしんどいので、クローン
やデザイン・チャイルドを持ちたいとは思わないです。
敢えて持とうとする人は、余程、自制力に自信がある人か、後先、
考えずに「とにかく、今ほしいのよ」と猪突猛進してしまえる人なのでは、
と思います。
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