[BlueSky: 2612] Re:2605,2607,2609 個人至上主義


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 19 Dec 2000 10:17:08 +0900

こんにちは、葛貫です。

小宮さんwrote:
> > ところで、総務庁の労働力調査特別調査結果では、一年以上の完全失
> > 業者数は1999年から2000年で71万人から80万人に増加しているようです。
> > http://www.stat.go.jp/data/routoku/sokuhou/8gatsu/1.htm
> > 現在の景気の悪化、リストラによる失業が、ホームレスの増加の原因で
> > あることは間違いなさそうです。・・・中略失礼・・・
>高齢者は以前職がないままになっているということなの でしょうか?

このような見方もできる、ということで。
景気の悪化、リストラによる失業が、ホームレス増加の「引き金」になった
ことは確かだと思うのです。私には、浪費が美徳というような物やステイタス
に焦点を当てた価値観に基づいて作られた社会のほころびが目に見える
かたちで、あらわれ始めたもののように思えます。

失業した人達は、生理的欲求段階→安全欲求段階→帰属と愛情欲求段階
→尊厳欲求段階→自己実現欲求段階の、就業中は満たされてるように思っ
ていたいた尊厳欲求以前の段階を、会社の都合により突然失ってしまった
ことになるのではないか、と思われます。

父親が失業して、一家揃ってホームレスになっている人達って、どのくらい
いるのでしょう。

ホームレスになるということは、家という建物を失う(捨てる)ということと
同時に、家の中で育まれた人間関係も失う(捨てる)ことも意味するのだと
思います。

家族のうちの一人が、ホームレスになるのは、物やステイタスを失ったその
人物は、家族として受入れられないということなのでしょうか。
(まぁ、景気の良い時期に作った人間関係がそんなものだったということなの
かな。失業してホームレスになる人の帰属意識は、家族ではなく会社に向い
ていた? 家族もその人自身が大切なのではなく、その人とともにいることで
得られる物やステイタスが大切だった?)

職がないといいますが、外国人就労者を求めなければ、人手不足になりそう
な職種もあるわけですよね。でも、家族を養い続けるために、何百人もの部下
を使っていた俺様が、使われる立場で新しい仕事を探さなきゃならないなんて、
バカバカしくってやってられない、自分一人だったらホームレスでも飢死にする
ことはなさそうだし、ということで「家族」を捨てたのでしょうか。

「家族」というもの自体、幻想なのでしょうか。

持っている物やステイタスに関係なく、自分自身を受入れてくれる人間関係を
持っていないということは、結構、辛いことなのではないでしょうか。
それで、自殺者も増加しているのでは。

今朝、掃除をしながら、うつ病に関する番組を聞いていたのですが、「頭がやら
なくっちゃ」と命令していても、体や心が、「疲れちゃったよ。嫌だよ〜。」と言う
こともある。精神科による治療や家族のサポートにより、うつ状態を脱出する
ことができる、というようなことを言っていました。
体や心が、直観的に「続けることの意味のなさ」を感じ取り、動かないことを
無意識に選択していることってないのでしょうか。抗うつ剤を飲んで、気分を
引き立て、社会に順応し続けなければならないのでしょうか(自殺願望がある
時は、飲んだ方がいいかも)。抗うつ剤を飲まなきゃ勤まらないような社会の
方を変えた方がいいかも、ということには、ならないのでしょうか。

私には、景気さえ回復すれば・・・というお題目を唱えるのは、絆創膏はって
傷口を隠しているだけのような気がしてならないのですが。

二木さんwrote:
> 1960年代の消費水準に持っていけないか、と、無理をしない程度に、
> 私は自分の生活を考えています。

享楽的になり過ぎず、ストイックになり過ぎず、無理をしない程度というのが
いいですよね。1960年代の生活水準って、それほど貧しくなかったような気が
します。HP、読ませて下さい。

識さんwrote:
> 「神」は自分の創造した「ヒト」の性悪さに辟易して、どこかへ行ってしまった
> のかもしれませんね。

他の「神」の在り様を許さず、自分達の都合の良い解釈をした「神」を布教した
西欧文明は神から遠ざかっていってしまった。アマゾンを訪ね、シャーマンに
なることを望んだ民俗植物学者は、解釈を与えられる前の「神」を感じることが
できたのでしょうか。「あなたはどこにいるのか。」という「神」の問いに答えられ
る者が、どれだけいるのかな、と思います。
(客観性を問われない、自分なりの歴史的、空間的な位置解釈もできない、
です。)

では。





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