[BlueSky: 1956] Re:1919 イメージと実際の効果 下水道編


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Wed, 3 May 2000 18:37:15 +0900


みなさん、こんにちは、佐川です。

【佐川wrote:1912】
> > 金属石けんは、降雨時に集中して流入してくるためBODが大きくなり過ぎて、
> > 処理効率は悪化しますし、活性汚泥の沈降性も悪くなる傾向があります。

【中澤さんwrote:1919】
> これは何か工夫の余地があるような気がします。
> たとえば,曝気槽の3分の1から4分の1の大きさの予備槽を設置して
> 多目的活用するとかいうのはどうなったのでしょう?
> (出典:中塩真喜夫(1986)「廃水の活性汚泥処理[改訂新版]」恒星社厚生閣)
> #この本はたとえ話が多くて面白いです。古いですが。

東京都下水道局のHPを見るかぎり、予備槽を設置している
処理場はないようです。やはり、用地取得などのコストの問題
が大きいのでしょうか。

雨水と家庭排水を、同じ下水管で集水する、{合流式}に問題が
ありそうですね。
はじめから、雨水と家庭排水を別々に集・排水する{分流式}に
しておけば、金属石鹸がどうのこうのという面倒な事にならずに
済んでいたのですが・・・。

#東京をはじめとする大都市部では、合流式が主流となって
#います。やはり、コストの問題が大きいようです。


【中澤さんwrote:1919】
> 三番瀬を埋め立てた後に建設が予定されている施設として
> 流域下水処理場があるのですが,やめてもらいたいと思っています。
> もう一点の問題は,流域下水処理だと最下流でしか水を川に戻さない
> ことになることで,できるだけ発生源に近いところで処理するのが
> いいのだけれど,活性汚泥法でやる限りはある程度の規模はあった方
> がよく,その兼ね合いで中西準子さんは合併浄化槽を推薦しています
> よね(「水の環境戦略」岩波新書や,下記URL)。
> http://env.kan.ynu.ac.jp/~nakanisi/zak86_90.html#zakkan89

石井勲氏の「浄化槽革命」(合同出版)によれば、現在の浄化槽に
もいくつか問題があるらしいです(浄化槽の容量など)。

合併浄化層を設置するためには、縦2m・横3m・深さ2mくらいの
スペースが必要となるので、設置できるのは≪庭≫つきの住宅に
限られてしまうのが、ちょっと辛い。


下水道の普及率は、人口5万人以下の都市では20%という低さ
ですが、これらの地域は住宅の密度が低いので合併浄化槽の方
が有利と思われます。
ただ、これらの地域には、隣の家まで100mもあるような地域も
含まれています。このような住宅密度がさらに疎なところでは、
合併浄化槽は設置しなくても良いかもしれません。
「台所からの地球環境」(ぎょうせい)によれば、排水路に桝が付
いていれば、汚濁成分は大部分除去できるそうです。
#排水路の幅を広くし、細かい砂利などを敷き詰めれば、汚濁
#成分の除去能力の向上が期待できます。


佐川でした。



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