[BlueSky: 1915] 水処理について


[From] Akifumi Murase [Date] Fri, 28 Apr 2000 00:32:04 +0900

邑瀬です。佐川さん、こんにちは。
詳しい方のフォローを待っておりましたが、なさそうですね。

佐川さん:
> 現在の下水処理は、窒素・リンの除去率を高めるために、反応槽
> の一部を嫌気状態にした、嫌気・好気法が主流になっています。
> 私の勤める処理場もそうです。

素人な質問ですが、窒素やリンはどのような形態で除去されるのでしょうか?
菌体としてですか?

> で、嫌気槽のORP(酸化還元電位)の値は、微生物や浄化細菌に
> 対してどの程度影響するのでしょうか?
>  #当処理場では、−100mv〜−250mvで変動します。

ORPが細菌に影響するというより、ORPで細菌の状態が分かる、と私は捉えてい
ます。つまり、ORPは細菌が今何を(主にどの反応を)しているかの指標にな
るので、監視せよという意味だと思います。例えば水田では、ORPが徐々に低
下するに従って、種々の化学反応が逐次的に起こります。もちろん、主役であ
る細菌はそのたびに交代しているのでしょうが、細菌とて化学の法則に支配さ
れているはずですので、あるORPに対応する化学反応しか起こりえない(起こ
せない)と考えられます。(答えになっていませんね。)

> 市販の下水処理のテキストには、簡単な説明しか書かれていない
> ため、細菌・微生物とORPの関係が良く理解できないので、このへん
> の事情が良く理解できるテキストがあれば紹介していただけないで
> しょうか?

細菌は分かっているようでほとんど分かっていませんね。前にいた研究室では、
最先端の手法を使って活性汚泥中の細菌群集構造の解析をしている人がいまし
たが、確か3割ほどの属が分かっただけで、「構造」というにはほど遠い結果
でした。


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