[BlueSky: 1803] Re:1788  緑化


[From] "Kikuhiko Mizusaki" [Date] Tue, 18 Apr 2000 01:22:43 +0900

水崎@浦和在住です。こんにちわ。

> 澤口@大崎です。
>
> 邑瀬さんは書きました:
> >緑化工学会では今、郷土種とどう付き合うかというのが課題です。特にのり面
> >緑化などに言えることですが、土木工学側の都合で植物が決定されているのが
> >現状です。つまり、ある特定の植物をどうやって定着させるかというよりも、
> >ある工法に合った植物を選んでくるというやり方です。植物はあくまで緑化の
> >ための材料であって、残念ながら主役ではないのです。

開発するための、土木工学が優先して、環境保全などと言う言葉は、
国策上の邪魔としか扱われていなかった状況が生みだした悲しい現実です。
さらに、土木工事の方が緑化工事よりも金額が大きく、緑化工事など
ホンの御余りでしかなかったからでしょう。

規模の大小はありますが、個人邸でも一緒です。個人邸の場合は、建築が一番重要事
項で、造園・外構などは、あまり考えられません。
だから、住宅金融公庫の対象にもなりませんし、取得控除の対象にもなりません。
さらに、遺産相続の対象にもなりません。

> 妥協案としては、最初から郷土種だけ吹き付けなくても、6,7年かかって
> 郷土種へ遷移すればよいので、何かそういう遷移ストーリーがあれば良いの
> ですが。チモシーなんか見ていると、放置されればだんだん郷土種に負けて
> 行くみたいですけどね。
> 郷土種といえども、狭い範囲に集中的に吹き付けたのではどういう生態系へ
> の影響がでるか分かりませんものね。

研究報告によれば、バミューダなどの吹き付けられた法面において、
発芽不良が観察された法面の方が、その後の木本の侵入が早かったとか。
バミューダなどが繁茂して、初期のエロージョンを押さえたところは、
10年ほどして、木本の侵入が見られず、かえって斜面崩壊を引き起こしている
事例が観察されたりするようです。水源開発公団の発表でしたが、、、
こうなると、何のための緑化工だったのか判りません。
ホントに急速斜面緑化は、必要なのか?と疑いたくなります。

郷土種については、まだまだこれから議論されなければいけませんが、
基本的に、撹乱したところを直ぐに元に戻す様なことは出来ないのでしょう。

最後に、某教授がこんな事を書いていました。

潜在自然植生を、目標に緑化する場合があるが、存在しない植生を
推定した結果の植生は、果たして正しいのか?
また、そのような植生を目標に緑化することが、ホントに善なのか?





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