[BlueSky: 1582] Re:1564 +遺伝子操作と農薬:人口、除草剤


[From] yuichiro komiya [Date] Fri, 24 Mar 2000 19:07:30 JST

皆さんこんにちは。小宮です。

遺伝子組み替えと特許の話が出ていますが…

> これは難しい問題ですね。今のバイオ関係の特許出願の過激さのことを考えた
> ら、アメリカにイネ関係の特許を押さえられてしまう前に、日本でも研究を進
> めて特許を押さえ、日本の農業を守ろう、というのが日本政府の思惑ではない
> でしょうか。そもそも農業という技術にこのような企業の特許紛争がからんで
> くること自体やりきれないものがあるのですが、現在の農業のハイブリッド化、
> 大規模化においてはしょうがないものなのでしょうか?

特許庁の資料に次のようなものがありました。

「知的財産権のニュートレンド バイオテクノロジー」
http://www.jpo-miti.go.jp/tousi/nenzi98s/1/1-1-1b.htm

この資料によると、バイオ技術の基礎技術は、1980年代までに欧米で
ほぼ確立し、特許についても欧米が大幅に先行していることが分かり
ます。日本国内におけるバイオ関係の特許出願件数は、日本人とアメ
リカ人がほぼ同数、米国におけ登録件数はアメリカ人が日本人の5〜10
倍程度となっています。

また、今後の技術動向、方針として、『バイオ技術は医療、環境、
食糧等に関する技術においてさらに広がりを見せ、21世紀の産業
を担う基幹技術の一つになると予測される』とあり、『技術の重要
性は増しており、国際的競争力のある技術の開発体制強化が日本企
業にとって急務』とされています。また、「知的財産に関する研究・
研修のあり方を考える懇談会」では、
http://www.jpo-miti.go.jp/tousi/nenzi98s/1/2-8.htm

『我が国が「科学技術創造立国」の理念の下「大競争時代」に対応
するには、知的財産の保 護活用に関する戦略を広く普及させ、国際
的な知的財産権保護の動きに積極的に参加することが重要。』とあ
ります。GMを含むバイオ技術における特許戦略は、日本における
最重要政策の一つになっていると考えていいのではないでしょうか。
知的財産権関連の人材育成・研究活動を活性化させ、新しくニーズ
を産みだし、経済を活性化させる、というねらいもあると思います。

ただ、海外との特許紛争や経済政策を重視するあまり、バイオ技術
がその基本である農業から浮き上がり、からまわりして、特許取得
のための研究、研究のための研究になってしまう恐れがあります(こ
れはメーカー等では既に現実となっています。物を作らず、知的所
有権のみで利益を得ている企業はたくさんありますから)。しかし、
農業を、そのような特許紛争の場にさらしてしまうのはどうでしょ
う?そのために多くの小規模で経営している農家がつぶされる恐れ
もでると思います。(農業が法人化されることへの心配も、ここにあ
ります。利益優先の企業が、経済効率を重視して、環境への配慮を
怠るということはないでしょうか?)



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