[BlueSky: 1468] Re:1452 循環型社会基本法市民案試案


[From] "一ノ瀬 威" [Date] Mon, 06 Mar 2000 02:39:46 +0900

 一ノ瀬(尼崎市)です。

 後藤さんからもらっていた宿題ですが、ようやく書くことが出来ました。
(ちょっとこの時期、時間がとれない。。。)

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一ノ瀬<<数値目標の、社会全体の廃棄物削減や焼却量の削減への
     適用には、反対します>>
後藤さん<ほかの具体的なやり方があればご教唆ください。>

 局部的ならいざ知らず、世の中全体から、廃棄物の焼却を完全に無くせる
のか、あるいは、どの程度までなら減らせるかなど、現時点では誰にも分か
らないことです。
 その、出来るかどうか分からない事を、さも出来る事であるかの如く
「数値目標を設定する」のは、一種のウソをついているようなものでは無い
でしょうか。(非常に緩い”目標”なら、この限りではありませんが)

 温暖化ガス排出削減に関しては、
「規制一辺倒ではなく、炭素税や排出権取引などの、排出削減を促す仕組み
を利用すべきだ」
という主張があります。

 廃棄物についても、類似の仕組みを考えるべきです。
 要は、廃棄物を削減する努力が、社会の中で継続すれば良いのですから。

 数値目標は、強い強制力を持ちますが、一種劇薬のようなもので、副作用
が伴います。
「試案」では、「環境独裁権力」を指向しているようで、”強制”に伴う副
作用をあまり考慮していない点が心配です。

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一ノ瀬<<廃棄物の持ち込み・持ち出しを禁じることは疑問>
後藤さん<日本の国の法律なので、他国までの循環は一切考えていません。
・・・・・・・・・・・・・・
むしろ、国際条約なりを提案すべきだと思います。ちなみにバーゼルを遵守
すべきことは大前提です。>

 バーゼル条約は、私が理解する限り、有害廃棄物の輸出入に伴う健康・環
境被害の防止が目的であって、「廃棄物の輸出入の全面禁止」を掲げる条約
ではないはずです。
 この私の理解からすれば、単純に輸出入の全面禁止を謳う「試案」の方が、
バーゼル条約を曲解しているように見えます。

 実際には、輸出入は発生するのだから、その輸出入に伴うトラブルを無く
す仕組みは不可欠です。
 現状では、ザル、に近いのではないでしょうか?
 そういう仕組みを完備した上で、国内廃棄物の強制削減に取り組むのなら、
まだ安心なのですが。

「数値目標」を決めて、「国家権力」によって廃棄物を削減しようとすれば
するほど、
「リサイクル半製品」「再生工業原料」「ミミズの餌」等の「輸出」増
が心配されます。
 国外に「買い手」がいるのならば、それは廃棄物ではないし、
「循環型社会基本法市民案試案」にも抵触しません。

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後藤さん<塩ビ排除は無駄とは思えませんが・・・>

 私は、第40条(ダイオキシンフリー建築)について、塩ビ排除は意味が
ないと指摘しています。88条には反対していません。
 焼却処分しない以上、耐久性などから塩ビが好ましいので有れば、使うこ
とに何の問題もないと思います。

 電線の被覆などには、塩ビを使えばいいのです。銅のリサイクルに乗せて
やれば、回収も容易なはずです。
 それを、「塩ビは全面禁止」というのでは、あまりに、、、、

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後藤さん<
 学者やオタクでない、勉強熱心な市民が継続してアドボカシーを行
うのに大事なのは、楽しくやることです。

 なるほど、、、、そうかもしれない。
 けれども、発言には責任が伴うんですよね。

 私が「試案」を呼んだ第一印象は、

「これ、誰が実施するんだろう?」

でした。
 仮に私が、市役所か厚生省の廃棄物処理の担当者であったとして、
「試案」をそのまま強制されたら、絶対に受けません。
 より弱い立場の人々にしわ寄せすることなく、実現する自信がありません
から。

「提案した人に、やってもらってくれ」

って捨てぜりふを残して、仕事を辞めちゃいますね。



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