[BlueSky: 1417] 循環型社会基本法市民案試案


[From] "Takashi Goto" [Date] Wed, 16 Feb 2000 11:41:21 +0900

こんにちは。

昨年末から今年はじめにかけて、与党3党は「循環型社会法」の制定に向けた
プロジェクトチームを組んで、自民・自由・公明の各党から案が提出されてい
ます。
また、デポネット、市民団体連合体、太郎塾などの団体・ネットワークが、独自
の市民案を公表し、政府に投げかけています。
一方で、環境庁は公表している案以外に、法制局にまわすための最終案をすで
に完成し、現在通産省など他省庁間で論議されています。

ご参考までに、市民からの案の一例をご紹介します。
 
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               「循環型社会基本法試案」(案)
                                        2000年2月15日 
                     
                       循環型社会基本法試案作成プロジェクトチーム

目 次
第一章 総則(目的・定義・原則/国の責務/国民の責務等/事業者の責務/再利用・再資源化等の定義、焼却
の段階的放棄/最終処分/禁止・制限事項等)
第二章 各論(建築物関連/廃自動車関連/廃家電製品/容器包装廃棄物関連/食品等有機系廃棄物関連)
第三章 循環型社会構築のための計画・体制(循環型廃棄物削減・処理計画/計画の点検・評価/情報公開/環
境教育)
第四章 特定有害廃棄物対策(特定有害廃棄物/ダイオキシン類・環境ホルモン対策/フロンガス類対策)
第五章 監視体制および報告義務(日常的監視体制/緊急・非常時の対応)
第六章 雑則
第七章 罰則
    附則・検討


第一章 総則
第一部 目的・定義・原則
(目的)
第一条 この法律は、循環型社会の構築を実現するため、その基本理念や方針、関連施策を定めるとともに、既
存、策定中のあらゆる環境・廃棄物・リサイクル関連の法律、規則、計画が、循環型社会の実現を前提として総
合的かつ計画的に推進されるために必要な体制の整備、施策の推進を図ることを目的とする。
二号 国は、前項の前項の目的を達成するにあたり、国、地方自治体、事業者および国民の責務を明らかにし、
政府による計画の策定等施策の基本となる事項を定めるものとする。
三号 国は、廃棄物・リサイクル対策について緊急の課題であることに鑑み、諸施策を横断的・一体的・計画的
に実施して、早急に取組の実効性を確保する。
(定義)
第二条  この法律において「循環型社会」とは、有限な社会の永続性を確保するため、人間のあらゆる活動に
伴ない発生・消費される物やエネルギーを資源として循環し、またはさまざまなかたちで繰り返し利用するとと
もに、廃棄するものを最小限とするシステムおよびそれを実現するための意思を有する社会のことをいう。
二号 この法律において「廃棄物」とは、廃棄物の処理および清掃に関する法律その他廃棄物の処理・リサイク
ルに係る法律で定義する物で、その所有者が廃棄するか、廃棄の意思を持つか、廃棄を必要とする全ての物をい
う。
三号 この法律において「廃棄物処理」とは、廃棄物の処理および資源およびエネルギーとしての再利用をい
う。
四号 この法律において「再利用」とは、国内で発生した使用済み製品を本来用途または他の用途に再び供する
ことをいう。
五号 この法律において「再資源化」とは、国内で発生・回収された使用済み製品を、再び製品の原材料とする
ことをさす。ただし、主としてエネルギーとしての利用のみを目的とする場合はこの限りではない。
六号 この法律において「適正処理」とは、国内で発生した廃棄物について、再利用・再資源化をしないで廃棄
処理した方が環境保全上適正であると判断される場合に限り行われる最終処分のことをいう。
七号 この法律において「中間処理」とは、廃棄物の分別、選別、圧縮、破砕、脱水、乾燥など、廃棄物を適正
処理するための中間的な処理のことをいう。なお、焼却など有害物質を副生成するおそれがあるものについて
は、中間処理とは認めない。
八号 この法律において「最終処分」とは、廃棄物の埋立て処理のことをさす。
(適用範囲)
第三条 この法律の規定の適用範囲は、以下の行為に対するものとする。
 イ 廃棄物の発生抑制
 ロ 廃棄物の再利用
 ハ 廃棄物の原材料としての再資源化
 ニ 廃棄物のエネルギーとしての利用
 ホ 廃棄物の適正な廃棄処理
 ヘ 廃棄物の不適正処理等によって引き起こされた環境汚染の原状回復
 ト その他廃棄物の移動、登録等にかかる全ての行為
(排出者・汚染者負担の原則)
第四条 国民または国内に住所を置く事業者に対して販売された原材料および製品が廃棄物となった場合、排出
者または販売者は、これを引き取り、適正に処理しなくてならない。
(拡大製造者責任の原則)
第五条 製品を設計・開発、製造、加工および販売・施工する全ての事業者は、国内で廃棄される製品の再利
用、再資源化、エネルギー利用その他の処理に関して経済的負担を負わなくてはならない。
二号 有害化学物質を含む製品の再利用、再資源化その他の処理については、より厳重な管理・監視体制のも
と、確実にこれを行わなければならない。
三号 国は、前項の責任に基づく経済的負担等について、一定の合理的推計をすることができる。
(発生抑制優先の原則)
第六条 国民および事業者は、廃棄物の発生を回避しなくてはならない。
二号 やむを得ず発生が回避できない場合にのみ再利用、再資源化することができる。
三号 エネルギー利用については、二号で定める再利用または再資源化が不可能な場合のみこれを認める。
四号 技術的・経済的水準に照らして、あらゆる再生利用等の手法が適用不可能と認められる場合にのみ、例外
的に環境に適するよう廃棄処理することを認める。
(デポジット制度の導入)
第七条 国民は、分類が困難であったり、再生利用すべきものなど、自ら適正処理を行うことが出来ない場合、
当該製品を購入した販売店又は同種製品を取り扱う業者に引き取りを要求できる。
二号 製品の引き取りに係る経済的負担は、原則として、販売店、業者にあるものとする。
(国による導入命令)
第八条 国は、廃棄時に著しい環境負荷を与える製品(容器包装を含む)の製造、販売等に対し、デポジット制
の導入を命ずることができる。
二号 製品の製造者および販売者は、規則で定める製品について、使用後の引き取り体制を確保するとともに、
必要に応じてデポジット等の引き取りシステムを実施しなければならない。
三号 容器包装など一定の製品について、製造者および販売者は、排出者または占有者が返却できる場合として
規則で定める場合以外は、これを販売または流通させることができない。
四号 製造者および販売者は、廃棄物の排出者または占有者が不明で、国がかわって引き渡しを行う場合として
規則で定める場合、これを受け取らなくてはならない。
(表示義務)
第九条  デポジットが可能な製品については、製品上にこれを明示しなければならない。
二号 引き取り等を行う事業者は、その旨を表示しなければならない。
(有料化)
第十条 廃棄物の処理・再資源化にかかる費用は、原則として排出者がこれを負担しなくてはならない。

第二部 国の責務
(循環型社会構築を目的とした施策の優先)
第十一条 国は、国が行う全施策について循環型社会構築の理念を踏まえ、廃棄物の発生を抑制し、再利用を促
進する等により廃棄物の減量を推進するとともに、廃棄物の適正な処理を図りつつ実施しなくてはならない。
二号 国の全施策は、循環を基調とした廃棄物処理に関する施策と矛盾したり、不適正な処理を促進してはなら
ない。
三号 国は、前二項の責務を果たすため、廃棄物の減量および適正な処理に関する国民および事業者の意識の啓
発を図るよう努めなければならない。また、国民および事業者に対し必要な指導又は助言を行うことができる。
(自然環境の保全)
第十二条 この法律で定める循環を基調とした廃棄物の再生・処理に関するあらゆる施策は、環境容量の概念に
基づき、国内外の地域および自然環境に対し、環境容量を超えて環境負荷を与えてはならず、さらに環境負荷を
出来る限り低減するよう努めなければならない。そのため、廃棄物ゼロにすることを目標とする。
(他の法律、施策との関係)
第十三条 国は、新たな施策を立案、計画を策定する場合には、その施策計画等が、環境基本法、関係する環境
関係法、環境基本計画および既存の環境関係の計画、政策に抵触しないかを点検、評価し、抵触するおそれのあ
る場合、関係法令の改正も視野に入れて代替案等を検討し、支障を除去しなければならない。 
二号 前項の規定は、人権、労働基本権、福祉、教育、その他規則で定める分野の施策に関する事項で、当該目
的の遂行に当たって代替案がない場合はその限りではない。
(不適正処理の防止)
第十四条 国は、国内および他の地域における不適正処理を防止するため、実効性ある廃棄物の発生抑制、再利
用、再資源化等の政策を、他の政策に優先して遂行しなければならない。
(地方自治体に対する支援等)
第十五条 国は、地方公共団体が実施する廃棄物の再利用、再資源化等適正な処理の取り組みに対して、必要な
技術的および財政的支援を行うものとする。
(率先実行)
第十六条 国は、公共事業の実施、および自らが保有する建築物の新改増築、国立施設の新・増設・改修などに
あたっては、廃棄物の発生量を最大限に削減するともに再利用、再資源化しなくてはならない。    
二号 事業の実施・発注にあたってはグリーン購入を徹底し、有害化学物質を含んだ資材を使用してはならな
い。
(情報公開)
第十七条 国は、廃棄物の再利用、再資源化、処理および処理施設の運営状況、施設建設費用、その他の費用、
二酸化炭素発生量等の情報を、常に国民に明らかにしなければならない。
二号 国は、国民が廃棄物の処理施設への立ち入りを求めたときは、安全衛生を確保した上、特段の理由が無い
限り、これに応じなければならない。

第三部 国民の責務等
(国民の責務)
第十八条 国民は、国が循環型社会として永続しうるよう、以下の努力をし、また国や地方自治体が行う施策に
できる限り協力しなければならない。
 イ 廃棄物の発生回避、および自らが排出し、または占有する廃棄物についての適正な処理。
 ロ 廃棄物の再利用、再資源化、エネルギー利用、その他の処理に関して、製造事業者その他の事業者ならび
に国が行う回収、引き取り、収集運搬等の過程への協力。
 ハ 再利用、再資源化を容易にするため廃棄物の分別 
 ニ 廃棄物減量および資源の有効利用を促進するための集団回収等の自主的活動への参加、協力。
 ホ 製品の選択に際しての、環境配慮商品の選択。
(国外持ち出しの禁止)
第十九条 国民は、国内で発生した廃棄物について、質、量の如何にかかわらず、これを国外に持ち出してはな
らない。
(国外からの廃棄物持ちこみの禁止)
第二十条  国内に営業その他の事業活動、運送、調査、研究、観光その他の目的で一時的に国内に移動する者
は、その質、量の如何にかかわらず、いかなる廃棄物も持ちこんではならない。
二号 国内において製品が廃棄物となった場合、排出者または占有者は、退去時にその廃棄物を国内に放棄して
はならない。

第四部 事業者の責務
(製造事業者の拡大責任)
第二十一条 製品を設計・開発、製造する全ての事業者は、当該製品の開発から廃棄に至るあらゆる過程におい
て、廃棄物の発生を最小とし、再利用または再資源化が容易に行えるようにしなければならない。
(製造事業者のとるべき措置)
第二十二条 製造事業者は、以下の措置を講じなければならない。
 イ 製品の設計・開発にあたって、環境と調和して長寿命に使用できるものにし、かつ使用後に無害かつ適正
に処理できるようにする。
 ロ 製品の製造にあたって、修理が容易で、繰り返し利用可能な材質、機構を優先的に用いるとともに、可能
な限り再資源化原料を用いる。
 ハ やむを得ず有害な成分を含んだ原材料や部品を用いる際には、部品表面への刻印等でその旨を表示する。
 ニ 使用後の製品の返還や再利用等の方法、義務については、規則の定めるところにより環境ラベル等で製品
に表示する。
 ホ 廃棄物となった製品およびその使用後に残った廃棄物は、これを引き取り、あらかじめ決められた方法で
適正に再利用または処理する。
(デポジット関連)
第二十三条 事業者は、自ら製造した製品の廃棄時、国民から引き取りを求められた場合、特段の事情なき限
り、これを引き取らなければならない。
二号 廃棄物となった製品については、排出者が国が関係法令で別途定める指定回収場所等に持参し、製造事業
者はこれを回収しなければならない。
三号 廃家電製品および廃自動車等大型の製品については、買い替え時の下取り等でその製品を占有する販売事
業者等が、直接製造事業者に廃棄のために引き渡すことができる。この場合の費用負担については、別途関係法
令で規定するものとする。
(その他)
第二十四条 製品を使用、加工、販売、施工、運搬する全ての事業者は、そのあらゆる過程において、廃棄物の
発生を最小にし、再利用または再資源化が容易になるようにしなければならない。
(化学物質の使用の削減)
第二十五条 事業者は、入手し得る最高水準の技術を用いて、材料選定における化学物質の使用を削減し、環境
負荷を最低にする事業活動を選択するよう努めなければならない。

第五部 再利用・再資源化等の定義、焼却の段階的放棄
(再利用・再資源化の範囲)
第二十六条 廃棄物の再利用または再資源化は、国、自治体が定めるあらゆる環境基準、法のほか、国際条約等
の基準を満たし、かつ再利用または再資源後に環境への悪影響が認められない場合にのみこれを行うことができ
る。
二号 廃棄物の再利用または再資源化にあたって、環境負荷を与えてはならない。
(再利用・再資源化の基準)
第二十七条 廃棄物を再利用または再資源化しようとする者は、以下の項目について規則に定める一定の基準を
満たさなくてはならない。
 イ 新たに製造される製品の材料に占める再生資源の割合(フローベース)
ロ 現在出荷・流通している製品の全体量に占める再生資源の割合(ストックベース)
ハ 廃棄される材料のうちリサイクルにまわる割合(フローベース)
二号 サーマルリサイクルは再資源化とは認めず「エネルギー利用」とみなす。
(原状回復義務)
第二十八条 廃棄物の再利用または再資源化の過程、またはその結果生じた製品の使用により環境に悪影響が生
じた場合は、当該製品の製造者が汚染の除去ならびに原状回復を行わなければならない。なお、使用者または占
有者の重大な過失により汚染が生じた場合は、使用者または占有者は製造者と連帯して原状回復しなくてはなら
ない。
(エネルギー利用)
第二十九条 廃棄物のエネルギーとしての利用は、規則で定める方法以外でこれを行ってはならない。
二号 エネルギーの回収は、規則で定める熱量および発電量等を満たす場合のみこれを認め、それ未満の場合は
焼却またはそれに準ずる処理としてみなす。
(中間処理)
第三十条 廃棄物の中間処理を行おうとする者は、事業所の開設および稼動について、国の認可を受けなくては
ならない。また、施設および設備の稼動・運営にあたっては、周辺住民の健康および自然環境などの周辺環境へ
の影響に、最大限に配慮し、事前および操業中の環境調査を行うとともに、開設・稼働に関し住民同意を得なけ
ればならない。
二号 国は、前項で定める中間処理施設の周辺で住民への健康被害が発生したり、大気・地下水汚染、騒音・振
動等の公害による被害報告があった場合、当該施設および設備に立ち入り、調査することができる。
三号 国は、前項の調査の結果、被害と施設との間に因果関係が認められ、または、他に原因となる事象が存在
しないなど関連性が推定されるときは、当該施設の管理者または事業者に改善計画書を提出させ、その内容に基
づき、勧告をし、又は、改善を命じ、それでも改善されないと認められる場合、当該施設および設備の一時停止
または操業停止を命じることができる。 
(焼却の段階的放棄と計画策定)
第三十一条 廃棄物の焼却処理は、ダイオキシン類および環境ホルモン等の主要発生源である事実に鑑み、段階
的にこれを削減し、将来的には放棄する。
二号 国は、前項の方針を実現するために「焼却処理段階的削減計画」を策定し、数値目標を定めてこれを実行
する。
(第三者への委託)
第三十二条 廃棄物の再利用、再資源化、エネルギー利用、その他の処理について、国民および事業者はこれを
第三者に委託して行うことができる。
二号 第三者の範囲については、別途規則で規定する。
三号 前項の事業者は、廃棄物の再利用、再資源化にあたり、人の健康を害し、自然環境を破壊するおそれのあ
る有害化学物質等を発生させてはならない。

第六部 最終処分
(最終処分の範囲)
第三十三条 国内で発生した廃棄物の最終処分は、環境容量の範囲内で国内のみでこれを行う。
(自区内処理)
第三十四条 地方自治体内で発生した廃棄物は、原則として各地方自治体が責任をもってこれを処理することと
し、再利用または再資源化できない廃棄物についてのみ最終処分する。
(製造、使用および流入の制限)
第三十五条 国は、処分場の残余容量が逼迫し、国内での最終処分が不可能であると判断された場合、最終処分
をせざるをえない製品について国内での製造、使用、流通の制限をすることができる。
(廃棄物処分場の運用)
第三十六条  国内における最終処分場の運用にあたっては、環境負荷の防止のため考えられる最高の技術を投
入し、人の健康等を害する有害物質等を発生させてはならない。

第七部 禁止・制限事項等
(禁止・制限事項)
第三十七条 国は、廃棄物の不法投棄等の不適正処理および散乱を防ぐため、以下の事項を定めるものとする。
 イ 容器包装等の製造に関しては、環境ホルモン等の有害化学物質を含まず、再利用・再資源化が容易である
など、規則で定める一定の基準を満たしていない性状、用途の使用禁止。但し、他の物で代替できない場合は、
その旨を明らかにして、国の許可を得て用いることが可能。
 ロ 容器包装以外で、多数または複雑な部品・構造を有する製品および大型かつ重量のある製品の製造、販
売、流通等に関して、その材質等が適正処理できるもので、かつ別途定める一定の基準を満たした性状、用途の
ものの使用・販売の禁止。
二号 前項の要件を満たした製品については、事業者はその旨を表示しなければならない。



第二章 各論(マニフェスト・罰則等多くの規定を廃棄物処理法の改正で対応)

第一部 建築物関連
(長寿命化)
第三十八条 建築物の施主、設計者および施工者は、建築物の長寿命化をこころがけなくてはならない。
(建材中の化学物質の削減)
第三十九条 建築物の施主、設計者および施工者は、建築にあたり可能な限り化学物質を含まない建材を使用し
なくてはならない。
(ダイオキシンフリー建築)
第四十条 国は規則で定めるところにより、塩化ビニル類などの有害化学物質を使用しない建築物・住宅に対し
「ダイオキシンフリー建築」の認定を行うことができる。
第四十一条 建築解体廃棄物の再資源化・処理については、委託後も所有者が一定の範囲内でその責任を負う。
(解体・廃棄時前調査)
第四十二条 建築物を解体しようとするものは、事前に綿密な調査を行い周辺環境に影響を与えない措置の下で
これを行う。 
(現場での選別)
第四十三条 建築物を解体するものは、可能な限り現場において解体物を選別して、再資源化を容易にしなくて
はならない。
第四十四条 建築物の所有者が当該建築物の一部または全部を解体する場合、規則で定めるところにより塩化ビ
ニル類等の有害化学物質を含む部材を適正に選別しなくてはならない。
二号 建設解体業者は、塩化ビニル類が排出物に含まれていた場合、当該物質を適切に分別し、分別した有害化
学物質を含む部材を適切に処理しなければならない。
(自区内処理の原則)
第四十五条 建築解体廃棄物のうち一般住宅家屋については、排出の様態が一般廃棄物に近い事情を鑑み、自区
内処理の原則に基づきこれを行う。
二号 事業系建築物については、規則で定める要件を満たすものについてのみ、他都道府県での処理を認める。
(再資源化・中間処理)
第四十六条 建築解体廃棄物の再資源化・中間処理は、国の認可を受け、規則で定める要件を満たした工場での
みこれを行うことができる。
(最終処分)
第四十七条 再資源化・中間処理が不可能な建築解体廃棄物のみこれを最終処分することができる。   
二号 建築解体廃棄物の最終処分を業として行おうとする者は、他の廃棄物の混在を徹底的に避けるとともに、
環境への負荷を低減するための対策を取らなくてはならない。

第二部 廃自動車関連
(製造事業者の責務)
第四十八条 自動車を製造および販売する事業者は、自動車が廃棄後もその再利用・再資源化・中間処理・最終
処分についての責務を有する。
(製造事業者のLCA)
第四十九条 自動車を設計および製造する者は、自動車が寿命を終える時点での廃棄物量を可能な限り削減する
ように設計・製造しなくてはならない。 
二項 製造事業者は、自動車の部材について規則で定める基準以上の率で再利用または再資源化部品を使用しな
くてはならない。
(排出者の責務)
第五十条 使用済み自動車(以下「廃自動車」と略す)の再利用・再資源化・中間処理・最終処分については、
排出者は引渡し後も適正処理についての責務を有する。 
(処理料金の徴収方法)
第五十一条
二項 廃自動車の再利用・再資源化・中間処理・最終処分の費用は、販売時に上乗せして徴収されるものとす
る。 
三項 前項の規定が円滑に運用されるよう、国は基金の創設、第三者機関の設置などの措置を講じなくてはなら
ない。
(国民の責務)
第五十二条 国民は、自動車の購入、賃貸、使用、保管および維持管理にあたり、再利用・再資源化が可能な部
材を用いた製品を選ぶなどして、可能な限り廃棄物量の削減につとめなくてはならない。   
(処理事業者関連)
第五十三条 廃車の再利用・再資源化・中間処理・最終処分その他全ての処理については、規則で定める施設・
用地等を保有し、かつ国の認可を受けた事業者のみが業として行うことができる。 
(適正処理の徹底)
第五十四条 廃車の再利用・再資源化・中間処理を行う者は、フロンガス類などの有害化学物質を放出または廃
棄してはならない。
(再利用・再資源化の徹底)
第五十五条 廃車の解体・破砕・選別等の中間処理にあたり、処理事業者は素材別の選別を徹底しなくてはなら
ない。 
(流通ルートの確保)
第五十六条 処理事業者は、前条の被選別物が確実に再利用・再資源化の用に供せられるよう、しかるべき流通
ルートを確保しなくてはならない。
二号 前項の流通ルートの整備については、再利用・再資源化製品の製造者および自動車の製造事業者・販売事
業者が協力して確立・運用にあたるものとする。
(廃タイヤ関連)
第五十七条 廃タイヤは、規則で定める基準に従って適正に再資源化・中間処理しなくてはならない。
(廃電池関連)
第五十八条 廃電池は、規則で定める基準に従って適正に再資源化・中間処理しなくてはならない。

第三部 廃家電製品(省略)→家電リサイクル法の一部改正で対応(デポジット導入、廃電子機器リサイクル関
連条項の追加など)
第四部 容器包装廃棄物関連(省略)→容器包装リサイクル法の一部改正(デポジット導入を柱に)で対応

第五部 食品等有機系廃棄物関連
(国の責務)
第五十九条 国は、資源の有効利用、環境負荷低減、農業生産の改善などの観点から、有機系廃棄物の発生抑制
および再資源化のための施策を総合的かつ計画的に推進しなくてはならない。
(生産者の責務) 
第六十条 農業・造園業などの生産者は、農産物等の生産・加工・出荷にあたり、有機系廃棄物の発生抑制およ
び再資源化に重大な配慮をしなくてはならない。
二号 生産者は、再資源化された堆肥等を、その生産高に応じて使用しなくてはならない。
(製造・加工事業者の責務)
第六十一条 食品等の製造・加工事業者は、有機系廃棄物の発生を極限まで抑え、発生した廃棄物については、
規則に基づく内容で堆肥化などの再資源化を行わなくてはならない。
二号 事業者は、前項の再資源化を行う場合、堆肥等の生産物が確実に利用されるように、利用先・流通経路
を、生産者、販売事業者と協力して整備しなくてはならない。
三号 前項の利用先・流通経路の整備にかかる費用は、排出事業者および生産者および販売事業者がこれを負担
する。
(販売事業者・流通事業者の責務)
第六十二条 食品等の販売および流通にかかわる事業者は、販売・加工・流通・保管等の事業活動において、有
機系廃棄物の発生抑制につとめなければならない。
二号 販売及び流通事業者は、消費者(国民)の窓口として、有機系廃棄物の再資源化について、拠点的・技術
的な役割を負うものとする。
(飲食店の責務)
第六十三条 飲食店は、自らが仕入れ、調理した材料および調理品がくずまたは残飯として排出された場合、規
則に基づく内容で堆肥化などの再資源化を行うか、または他の事業者が行う再資源化に協力しなくてはならな
い。
(ファーストフード店、コンビニエンスストア等に関する特例)
第六十四条 ファーストフード店、コンビニエンスストア等、一定範囲内に同一の営業形態の店舗が多く存在す
るものは、地域社会の拠点としての意味合いを考慮し、有機系廃棄物などの再資源化対象物(容器包装含む)の
再資源化または拠点回収に、規則に定める割合で協力しなくてはならない。
(国の財政的支援)
第六十五条 国は第五十九条から第六十四条の取り組みが効果的に行われるために、生産者および事業者に対し
必要な財政的・技術的支援を行うものとする。
(国民の責務)
第六十六条 国民は、食料をはじめとする有機系資材の購入・加工にあたっては、有機系廃棄物の発生抑制を前
提とするとともに、発生した有機系廃棄物については、可能な限り自家処理・再資源化を行うものとする。
(環境容量、環境保全上の措置)
第六十七条 有機系廃棄物を再資源化してできた堆肥などの再資源化物の利用にあたっては、環境容量および環
境保全の観点から行わなくてはならない。
二号 施肥等により環境保全上重大な汚染や環境負荷が生じた場合、排出者、加工者、事業者が調査および原状
回復しなくてはならない。
三号 前項の環境汚染の原因者が特定できない場合、国がその汚染を除去または浄化する。


第三章 循環型社会構築のための計画・体制
第一部 循環型廃棄物削減・処理計画
(計画の策定・実施)
第六十八条 国は、廃棄物を可能な限り再利用・再資源化し、エネルギー回収のみを目的とする処理および最終
処分量を最小とするため「循環型廃棄物削減・処理計画」を策定し、実施する。
(循環型廃棄物処理管理体制の整備)
第六十九条 国は、廃棄物の処理が環境保全上適正に行われているか管理するため、都道府県知事び政令指定都
市の首長に対して、循環型廃棄物削減・処理に関する地域別計画の策定を命じるものとする。
二号 同計画には以下の次項を記載する。
 イ 廃棄物の発生抑制と再利用、再資源化の数値目標
 ロ 現有焼却施設の放棄に向けた焼却率の削減目標
 ハ 廃棄物処理管理者の配置計画
(廃棄物処理管理者)
第七十条 国は、廃棄物処理管理者を任命し、廃棄物の中間処理施設および最終処分施設などの施設、ならびに
一定量以上の廃棄物を排出するかまたは有害廃棄物を排出する工場等に、一人または複数置くことを義務付ける
ものとする。
二号 廃棄物処理管理者の選定にあたっては、毎年回試験を実施してこれを選定する。
三号 国は、国が定める資格のうち、公害防止管理者、技術士(環境部門)、環境計量士等の資格を有する者
で、廃棄物処理施設等で一定の職務経験のある者に対して、前項の試験の一部を免除することができる。
四号 廃棄物処理管理者は、以下の権限を有し、責務を負う。
 イ 廃棄物の発生または移動、再利用および再資源化に至る過程の監視。
 ロ 施設、工場・事業場等における廃棄物の発生抑制および再利用等に関する改善計画の策定ならびに助言。
 ハ 施設等の設置者に対する廃棄物の処理、改善状況等の報告。
 ニ その他

第二部 計画の点検・評価
(評価委員会の設置)
第七十一条 国は、循環型廃棄物削減・処理計画の進捗状況等を総合的に点検・評価するため、計画の進捗状況
点検評価委員会を設置する。
二号 国は、前期計画を達成するため、数値目標による指標を導入する。
三号 前項の指標制定および改正にあたっては、その検討において国民の意見を聴き、優先しなくてはならな
い。
四号 第項で定める評価委員会の委員は、市民・環境NPO/NGO、学識経験者、および関係区市町村から選
任し、国議会の承認を得るものとする。
五号 前項の委員の選出および審議過程については、全面的に情報を公開し、透明性が確保されなくてはならな
い。
六号 評価委員会は、政策効果等の評価に必要な範囲において、国の保有する行政情報のうち一般に非公開とさ
れているものについて、請求・閲覧することができる。
七号 評価委員会は、行動計画および個別計画、ルールの達成が不十分と判断した場合、計画期間中であって
も、国に対し、政策の追加もしくは変更等の勧告を行うことができる。
(規制等の実施に係る委員会)
第七十二条 国は、ダイオキシン類、環境ホルモン、フロンガス類対策における規制等の公正な実施に資するた
め、前条で規定した評価委員会の下に、物質ごとの小委員会を設置する。
二号 委員会は、学識経験者、当該分野に知見を持つ環境NPO/NGO、消費者団体、その他の市民団体より
構成される。但し、当該化学物質取扱事業者の顧問等、利害関係者および当該事業者と密接な関係のある者は、
ヒアリングまたはオブザーバーのみの参加とする。
三号 国は、規制に際しての各種基準の判定等必要な決定に際し、当該委員会の意見を尊重しなければならな
い。
第七十三条 事業者は、前二条で定める委員会が重要情報の開示を要求した場合、遅滞無くこれに応じなくては
ならない。

第三部 情報公開(PRTR法との調整が必要)
(環境情報開示の原則)
第七十四条 国は、環境、廃棄物、リサイクル、有害物質などに関するあらゆる情報を開示しなくてはならな
い。
第七十五条 事業者は、自ら保有する情報のうち国民の健康や生活環境等に関連のある情報を開示しなければな
らない。
二号 事業者が事業活動にあたり環境汚染を引き起こした場合、営業秘密に係る、係らないの別なく、無条件に
環境、廃棄物、リサイクル、有害物質などに関して持つあらゆる情報を開示しなくてはならない。

第四部 環境教育
(環境教育)
第七十六条 国は、有機系廃棄物の発生抑制および再資源化を効果的に推進するため、学校・消費者・地域にお
ける環境教育および農業教育の充実を図らなくてはならない。


第四章 特定有害廃棄物対策
第一部 特定有害廃棄物
(国の責務・クローズドシステムの原則)
第七十七条 国は有害化学物質による環境破壊を未然に防止し、また既に生じた環境破壊を回復するため、国内
の各主体に対し、経済活動等において国もしくは国の定めた排出基準等を確実に遵守させ、人為的管理外におか
れる有害化学物質をゼロにしなければならない。
二号 国は、国の全施策について有害化学物質の使用削減を徹底するため、より無害な代替品への転換を促進す
る等により有害化学物質の環境への放出の削減、有害廃棄物の発生の削減を推進しなければならない。
三号 国の全施策は、前項の政策と矛盾したり、不適正な処理を促進してはならない。
四号 国は、前二号項の責務を果たすため、有害化学物質の減量および適正な処理に関する国民および事業者の
意識の啓発を図らなければならない。また、必要な指導又は助言を行うことができる。
(情報公開)
第七十八条 国は、有害化学物質の利用状況、有害廃棄物の処理および処理施設の運営状況等の情報を、常に国
民に明らかにしなければならない。
二号 国は、国民が有害廃棄物の処理施設への立ち入りを求めたときは、特段の理由が無い限り、これに応じ、
又は、応じさせなければならない。
(不適正処理の防止)
第七十九条 国は、自らが有害廃棄物の大量発生源であり、かつ有害化学物質の大量のストックを保有している
ため、国内および他の地域における不適正処理の防止上多大な責任を有していることを鑑み、実効性ある有害廃
棄物の発生抑制、有害化学物質の使用削減等の政策を、他の施策に優先して遂行しなければならない。
(特定有害化学物質の指定)
第八十条 国は、環境、廃棄物処理等関連法規で規定された物質のうち、規則で定めるものを特定有害化学物質
として指定する。
(特定有害廃棄物の指定)
第八十一条 国は、前項で規定する特定有害化学物質を含む廃棄物(廃棄物の処理と清掃に関する法律第二号条
に規定する廃棄物、以下同じ。)を特定有害廃棄物として指定する。
(特定有害化学物質関係商品の指定)
第八十二条 国は、塩化ビニルをはじめとする化学物質を全部または一部に使用した商品のうち、一般廃棄物に
混ざる可能性のあるもので、規則で定める商品を特定有害化学物質関係商品として指定する。
特定有害化学物質取扱事業者の指定と認可
二号 日本国内で、特定有害化学物質若しくは特定有害廃棄物を業として取扱う者、特定有害化学物質関係商品
を業として製造、輸入、および販売する者(最終消費者以外に販売する者を含む。)、(以下「特定有害化学物
質取扱事業者」とする。)は、国の認可を得なければならない。
(特定有害廃棄物廃棄物処理業者の認可)
第八十三条 特定有害廃棄物を業として処理をしようとする事業者(以下、特定有害廃棄物処理業者とする。)
は、国に届け出、その認可を得なければならない。
二号 特定有害廃棄物処理業者は、中間処理施設その他関係施設のうち規則で定めるものの建設に当たっては、
規則に定める減量等の基準に従うものとし環境影響評価を実施するとともに、住民の同意を得なければならな
い。
(規制的措置)
第八十四条 国は、特定有害化学物質のうち規則で定めるものについて、販売と使用の双方または一方を禁止す
ることができる。
二号 国は、特定有害化学物質のうち規則で定めるものについて、製造業者(輸入業者、中古品の場合には販売
業者を含む。以下製造業者等とする。)に対し、理由を示して当該商品の廃棄物(容器包装材を含む。)の引き
取りを命ずることができる。
三号 国は、特定有害化学物質関係商品のうち規則で定めるものの製造、販売等に対し、リサイクル制度を造る
か(当該商品の製造事業者の費用負担による。)、又は、当該商品の製造事業者に対する全量引き取りを命ずる
ことができる。

第二部 ダイオキシン類・環境ホルモン対策
(発生の抑制)
第八十五条 国は、国内の全生産活動においてダイオキシン類・環境ホルモンの発生を抑制するため、生産部門
における無害な代替品への転換を促進するなどの施策を推進しなくてはならない
(トップランナー方式)
第八十六条 廃棄物処理を業として行う者(地方自治体および事業組合を含む、以下同じ)は、入手可能な最高
の技術、最高の機器等の運用により廃棄物処理を行い、ダイオキシン等の排出を最低限に削減しなければならな
い。
(塩化ビニル等の焼却の禁止)
第八十七条 国民、事業者および廃棄物処理を業として行う者(地方公共団体および事業組合を含む)は、塩化
ビニル類(塩化ビニル、塩化ビニリデン、その他規則で定める物質。以下同じ)を燃焼させてはならない。
二号 前項において塩化ビニル類が排出物に含まれていた場合、当該物質の引き取りを、排出者、製品の製造者
・輸入業者、材料の製造者・輸入業者のいずれかに対し、求めることができる。
(業務用・家庭用製品・薬剤の使用および適正処理)
第八十八条 国は規則で定めるところにより、ラップ類を含む食品包装、消しゴム・下敷き等の文房具、玩具、
洗剤・薬剤(農薬を除く)その他規則で定めるものについて塩素含有商品の国内での販売および使用を禁止する
ことができる。
二号 国は規則で定めるところにより、商品およびその包装物のうち塩化ビニル類(規則で定める。以下同
じ。)を使用しないものに対し、「ダイオキシンフリー商品」の認定を行うことができる。
(農業用資材に係る対策)
第八十九条 農業用ビニルハウス用フィルムのうち軟質塩化ビニル類(規則で定める)の使用については、段階
的にこれを禁止する。
二号 国は、農業従事者のダイオキシン対策に際し、補助を行うことができる。
(環境ホルモンの指定)
第九十条 国は、規則に定める物質を環境ホルモンとして特に取扱に注意すべき物質に指定する。
(環境ホルモン取扱商品の指定)
第九十一条 国は、以下の要件に該当する商品を環境ホルモン取扱商品に指定する。
 イ 前条に規定する環境ホルモンを含有もしくは商品の処理の過程で生成のおそれのある商品。
 ロ 前条に規定する環境ホルモンを製造の過程で生成のおそれのある商品。
 ハ その他規則で定める物質
二号 国は、環境ホルモン取扱商品を業として取扱う者を環境ホルモン取扱事業者に指定する。
三号 環境ホルモン取扱事業者は、営業の際には国に届け出、その許可を得なければならない。
(環境ホルモン関係商品に係る対策)
第九十二条 国は規則で定めるところにより、食品包装、文房具、玩具その他規則で定めるものについて環境ホ
ルモン含有商品の国内での販売および使用を禁止することとする。
二号 国は規則で定めるところにより、商品およびその包装物のうち環境ホルモンを使用するものに対し、「環
境ホルモン要注意商品」の認定を行う。
 
第三部 フロンガス類対策
(フロンガス類の放出の禁止)
第九十三条 自動車や家電製品、業務用冷凍・冷蔵設備などに含まれるフロンガス類については、オゾン層保護
および地球温暖化防止の観点から、当該製品の廃棄・処理に伴ないこれを放出してはならない。
(選定時の注意義務)
第九十四条 事業者および国民は、設備の設置、更新にあたって、自然冷媒使用などの脱フロン製品またはフロ
ン破壊係数および温暖化係数が最小限のものを選定・購買しなくてはならない。
(引き渡し)
第九十五条 特定製品を廃棄しようとする者は、製造事業者、輸入業者、販売業者、回収事業者、もしくはフロ
ンガス類の破壊処理等の事業を行う者に、フロンガス類を漏洩させることなく引き渡さなければならない。
二号 事業者は、前項の規定に基づきフロンガス類を含む製品の引き取りを求められた場合、可及的速やかにこ
れを引き取らなくてはならない。
三号 特定廃棄物を収集・運搬、再生、処分、その他の処理をする者は、フロンガス類を回収する際、回収時に
認められる最高の回収能力を持つ回収機器を使用し、国が規則で定める資格を有する者によって、規則で定める
基準以上の率を回収させなければならない。
(フロンガス類の循環使用)
第九十六条 性能維持・構造上の理由でフロンガス類を含む製品を製造する事業者は、生産量に応じて決められ
た量の回収済再生フロンガスを引き取り、これを循環使用しなくてはならない。



第五章 監視体制および報告義務
第一部 日常的監視体制
(マニフェスト交付の義務付け)→当面、廃棄物処理法を適用後、将来的には同法を本法の政令として改訂。

(特別管理・要監視廃棄物)
第九十七条 国は、特定有害廃棄物をはじめ、事業活動等に伴ない発生する廃棄物のうち種類、含有物、性状、
量等に照らして、環境に著しい汚染を与え健康に悪影響を与える危険のあるものについては、必要に応じて特別
な管理および監視体制を設けなくてはならない。
二号 事業者は、特別な管理および監視が必要であると判断された廃棄物の再利用、再資源化その他の処理にあ
たっては、要求の有無に関わらずその処理の方法、過程等を国に報告しなければならない。

第二部 緊急・非常時の対応
(環境汚染発生時の措置)
第九十八条 国は、廃棄物の再利用・再資源化・中間処理・最終処分等が原因で環境汚染・破壊が起きたと認め
られる場合は、当該施設の改善計画書を提出しその対策をとるとともに、その内容に基づき、可及的速やかに原
状回復等の必要な措置を行わなければならない。
(河川、湖沼等の水質汚濁における措置)
第九十九条 国は、河川、湖沼等において環境基準を上回る汚染が生じた場合、汚染の原因者の特定に必要な調
査を行い、原因者と合理的に推定される者にその旨を伝え、反論の機会を与えた上で、原因者としての防止措置
および浄化措置を命ずる。
(土壌汚染における措置)
第百条 国は、土壌において環境基準もしくは国が定めた水準以上の汚染が認められた際には、期限を定めて汚
染原因者に原状回復を命じなければならない。
二号 汚染原因者が期限以内に原状回復を完了できない場合、完了しないことが明らかな場合、および土地所有
者が求めた場合、国は自ら原状回復措置を行うとともに、要した費用を汚染原因者に求めることができる。
三号 汚染原因者に支払い能力がない場合、土地所有者、および、土壌汚染を知りえたにもかかわらずその旨を
指摘せずに土地整備し、販売にかかわった事業者に対して、国は、費用負担を求めることができる。
四号 汚染者が移転・廃業等の理由で不明の場合は、環境汚染未然防止・修復保全の必要性から、国が当該汚染
発生場所の土地所有者に汚染状況の調査および浄化を命ずることができる。
(地下水汚染における措置)
第百一条 国は、地下水において環境基準を上回る汚染が生じた場合、汚染の原因者の特定に必要な調査を行
い、原因者と合理的に推定される者に反論の機会を与えた上で、原因者としての防止措置および浄化措置を命ず
ることができる。二号 その他原状回復に関する規定は前条のものを準用する。


第6章 雑則
(立入検査等)
第百二条 国は、この法の施行に必要な限度において、関係職員に事業所その他の場所に立ち入り、帳簿書類、
特定製品、機械、設備その他の物件を検査させることができる。
第百三条 国民は、違反を疑われる事業者について、国に対して立ち入り検査等の実施を要請できる。
二号 国は要請に対して、立ち入り調査等の実施の有無を要請者に報告する。調査しない場合はその理由を付さ
なければならない。
(悪質な違反者の公表)
第百四条 国は、規則基準その他のこの法に定める遵守すべき事項に違反して著しく汚染物質の排出等を行い、
かつ、国の改善命令その他この法による命令に従わない者があるときは、その氏名等を明らかにすることができ
る。


第7章 罰則(関係個別法との調整が必要・検討中)


附則・検討 この法律の規定は施行日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置が講ぜ
られるものとする。


以上


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