[BlueSky: 1389] Re:1385 代替案は、ないですか?


[From] Akifumi Murase [Date] Sat, 05 Feb 2000 15:39:07 +0900

初めまして、ムラセと申します。

> 一ノ瀬さんが【1374】であげていらした
> >1.国全体の経済活動レベルの維持
> >2.雇用の確保
> >3.低所得層の生活レベルの維持
(中略)
> 立ちはだかる土建ミームと戦うのではなく、「飽きるまで、そこ
> に立ってな」とおいて行く感じで、上記の3つを満たす抜け道を
> 見つけることができないかな、と思います。(イメージの世界)
> 具体的にどうしたらよいか、私の貧しいおつむでは、思いつけ
> ません。皆様、良い案は、ないでしょうか。

インフラがある程度行き渡った現在、これからの建築や土木工事は老朽化した
部分の更新というのが主な役割になります。それではなぜ不必要な建設事業が
続いているのかといえば、それは予算を使うため、いわゆる「事業のための事
業」です。業界側の言い分の中には、自己を正当化するために後からつけた理
由づけが含まれているように感じます。(もちろん、正しいものもあります。)
こうなった根本的な原因は、予算制度のやり方にあります。過去の実績で新年
度の予算枠(予算の縦割り)が決まるので、与えられた予算は年度内に使い切
らないといけません。必要に応じた予算配分をし、また予算の次年度への繰り
越しを認めさえすれば、状況は劇的に改善されるでしょう。大型予算はつくが、
そのあとの維持費が軽視されている(つきにくい)のも問題です。

社会のニーズは変化します。これはつまり、「雇用枠はいつの時代でもどこか
にあるはず」ということを意味します。(逆に、日本の出生率減少による勤労
者人口の不足すら懸念されているぐらいです。)「今まで◯◯しかしたことが
ないので、◯◯しかできない。」というのは甘いです。しかしながら、例えば
技術を習得するのにお金がかかる、住所不定であればハローワークで仕事が見
付けられないといったような、就労意志に応えられないような制度にも問題が
あります。より一層の規制緩和や支援制度が必要です。

福祉関連(特にソフト面)の充実が急務なのは周知の通りです。農林業分野で
も人手不足は深刻ですし、加えて(地下水位の低下や地力の衰えによって)米
国が今後も農産物を安価に供給し続けられるかどうかは疑問です。近い将来に
備えること(これも社会のニーズに応えることです。)を支援していくのが重
要であり、結果として雇用を生むと考えます。

- 余談 -
150年に一度の洪水に備えることも「将来に備える」ことの一つといえばそう
なのですが、問題はその数字です。人の一生を考えたときに150年は長すぎま
す。地震対策はするのになぜ水害対策はだめなのかという大臣の意見がありま
した。地震と水害との根本的な違いは、予知(=予測よりも短期間のもの)で
きるかどうかということです。水害は雲や台風の動きなどの経時的な変化から
予知することは十分可能です。万一水害が生じても、高台にある建物に緊急物
資を日頃から用意しておき、また災害復興のための基金を設置しておけばよい
のです。その方がコストも安く、浮いた分をもっと必要なところにまわせます。
(しかも、災害復興自体が一種の建設特需ではないでしょうか。)毎日の生活
(漁業や景観など)を犠牲にしてまでも防ぐべき天災なのか(頻度や規模など)
という議論が大切に思います。絶対に安全なところは存在しないわけで、では
自然とどう付き合っていくかというのが、自然破壊が進んだ現在に考えなけれ
ばならないことです。

以上、最後は本論からそれましたが、私が日頃から考えている一部を書いてみ
ました。これからもどうぞよろしくお願いします。


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