[BlueSky: 1321] Re:1319,   1295, 131


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Sun, 23 Jan 2000 19:02:05 +0900

大塚さん,巌さん,MLのみんさんこんばんわ

和尚です。
劇場民主主義に成らないためにも,
素人かつ重複かも知れないですが・・・・一言

>  Bt 毒素の Bt は Bacillus thuringiensis という桿菌のことで、これ
> はチョウやガの仲間の病原体です。その Bt が産出して宿主に病原を来
> すのが Bt 毒素です。この Bt 生きている菌を農薬として散布する事が
> 日本でも行われています。
>  Bt 毒素も農薬として使わていたような気がしましたが、

確か日本では,養蚕つまりカイコへの影響が心配されて,生菌は実用散布され
なかったような気がしますが。死菌体として使っていたと・・・・

>  Bt は、チョウやガの仲間にしか害がないですし、もともと自然界にも
> いる生き物ですので、これまでの殺虫剤に代わる生物農薬として期待を
> 持って使われてきたと思います。

これもうろ覚えで申し訳有りませんが,菌の系統によっては,蝶・蛾の仲間
以外にも効果があった様に・・・・コガネムシの仲間とか・・・
巌さんフォローして下さい。

>  Bt トウモロコシは、この Bt の毒素を作る遺伝子を組み込んで作った
> 品種です。このところ物議を醸している品種は葉ばかりでなく、根や花
> 粉でも Bt 毒素を作っていて、思わぬ影響が懸念されています。

確かBt毒素は蛋白質で,昆虫の腸内で分解されて毒性を発揮すると記憶して
いますが,この思わぬ影響とは,人間が種子を食った場合のことですか?
昆虫と同等の消化をする人がいたら大変ですね・・・・何れの場合も。

>  農薬の抵抗性は、農薬の存在化では、農薬では死ににくい個体が有利
> であることから、農薬抵抗性の遺伝子が集団の中に広がっていることで
> 生じます。自然選択と同様のプロセスです。
>
>  抵抗性の進化が進まないように、農薬の使い方には工夫が必要です。

昆虫が毒素(農薬)を分解するために費やすコストと,人間が新たな毒素
(農薬)を開発するコストでは圧倒的に昆虫の方が安上がりです。
一説によると,現在では,急性,慢性,催奇性,とどめが環境ホルモン性
などの安全性をクリアーするのに新規薬剤の開発には10年以上100億
円の巨費が投じられるそうです。
勝負ありです。Btトウモロコシにも早晩抵抗性リーフボーラーが現れる
でしょう。だからこそ,速く元を取らなきゃと色んな人が焦ってるんでし
ょう。

病気の場合,抵抗性品種を育成して,現地試験をしている間に耐性菌が
現れたなどと言う笑えない話も実在するくらいです。病害虫恐るべし。
多剤耐性の院内感染細菌も全く同じですけどね・・・・

>  このように計画的な散布が必要であるのに、隣のトウモロコシ畑から
> Bt 毒素を含んだ花粉が飛んでくるのは困りものなので、綿花畑の近くで
> の Bt トウモロコシの植え付けに制限が加わったものだと思います。

私はむしろ,トウモロコシは他殖性だから,Bt+の形質があちこちに
散らばっちゃって,さっきの耐性害虫を増やしてしまうのを警戒している
(折角作ったBtトウモロコシの商品性の長持ちを心配している)と解釈
していました。

アメリカはビジネスの国ですからね・・・ちょっと考え過ぎかな。
では
横山 和尚/DGC総研


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