[BlueSky: 1261] Re:1259 遺伝子操作と農薬


[From] Kimio OTSUKA [Date] Thu, 13 Jan 2000 15:41:34 +0900

大塚です

葛貫さん:
> 米国の消費者、農薬使用減るなら遺伝子組み換え作物を支持(ロイター)
> http://news.yahoo.co.jp/headlines/reu/000112/bus/11341302_u00000997.html
> という記事がありました。

 情報ありがとうございます。「米農業団体連合会(AFB)が公表し
た調査報告」ということなので、そちらに都合の良いデータが出て来が
ちになるかな、とは思います。
 ちょっと関連しますが、 NewsNeek(日本語版)等を見て思うのは、各国
のメディアは自国や自国の産業に有利な論調をしがちだな、ということ
です。「回答者の大半は、バイオ技術の恩恵よりも、問題点をより多く
耳にしたと答えた。 」そうですが、それでもモンサントのお膝元のメ
ディアはヨーロッパや日本のメディアよりも好意的だったのではないか
と思ってしまいます。

 それやこれやで、

> 食料という生存に必要不可欠なものをめぐるパワーゲーム、マネー
> ゲームが、表面化してきたようです。
> 種子会社、農薬会社、両者とも、自分達に都合の良いデータを揃えて
> ディベートを始めることになるのでしょう。

 に共感を覚えます。

 バイオテクノロジーの発達によって、育種も短期に成果が期待できる
業務になり、役所による開発・共有財産 から 企業による開発・利益
の追求にシフトしたように感じます。
 企業は開発資金を早期に回収する必要がありますので、農家が勝手に
種子を残したりできなくする技術を開発したり、BT トウモロコシのよう
に花粉や根など不必要な部位でも殺虫毒素を作る品種を大々的に売り出
したりしてしまうのだと思います。BT トウモロコシは葉にだけ発現する
ような品種にすれば、生態系への負荷や人体への害に関する危惧はずっ
と小さかっただろうに残念です。

> 選択肢が増えた分だけ、買う側が、賢くならなければならないのではと
> 思います。

 臨界事故のについての水野さんの講演([1225]からたどれます)にも
ありましたが、我々はもっと情報を処理できる能力−科学リテラシーを
はじめとして−を身につけなければならないし、日本のジャーナリズム
の質も上がらなくてはいけないと感じます。


大塚公雄
東京医科歯科大学


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