[BlueSky: 1066] Re:1064 そして,干潟は残った


[From] "Yoshiyuki Aizawa" [Date] Tue, 9 Nov 1999 01:43:36 +0900


中沢さん、青空MLの皆さんこんにちは
水処理会社のペーペー社員、相澤です.

> 中澤@東京大学人類生態です。最近メールが少ないですね。
> 皆さん,お忙しいのでしょうか。

ペーペーの私には覚えなくてはならないことがたくさんあり、結構大変です.仕事は
結構面白いんですがね.

> 松浦さと子[編]「そして,干潟は残った」リベルタ出版(1999)
> 税別2300円,ISBN4-947637-62-5
>
> という本を読みながら,先人の努力に感心しています。
> どういう本かというと,藤前干潟を守るために,wanetとEForum
> という2つのMLを舞台に展開された活動や言説の記録なのです。
> 第15章「MLと環境保全活動」では,環境保全活動においてMLには
> 何ができるかということが考察されていて,考えさせられました。
> 情報公開に役立つことはもちろんですが,やはり議論や情報提供
> を通じて「学びあう」場としての機能が重要だということです。

環境系のMLでは、技術分野、経済分野他,あらゆる分野の人々がそれぞれの分野の視
点から裾野の広い環境問題というものを意見し合い、そのなかで異なる考えを持つ
人々の考えを理解しながら,環境問題の本質を追求していくのが理想だと思います.
単なる情報の提示だけでは、裾野の広い環境問題の情報の中に埋もれてしまい,自分
の考えがあいまいになってしまうか、あるいは意固地になってしまう恐れがあると思
います。

> さて,青空メーリングリストには何ができるでしょうか?

私はインターネット歴がとても浅いこともあり、他のMLについてはよく知りません
が,青空MLでは幅広いテーマで活発な議論が展開されているとおもいます。また「学
びあう」という点においても成功していると思います.ただ自分の場合、関心が浅
かったり、よく知らないテーマでは議論に参加するのをちょっと控えてしまいます.
これでは上述した自分の理想にそぐわないことにもなってしまう。今後は恥をしのん
でどんどん意見していこうと思います.ひとつひとつの問題を幅広く議論していけれ
ばいいですね.

ところで
最近気になるのは、東京外環道路についてです。
11月7日の朝日新聞に、10月12日に開かれた「東京・パリ都市交通シンポジウム」に
ついての記事にも出ていました。海外ではインフラストラクチャーについて、地域住
民と行政が議論しながら建設的に話を進めていくPI(Public involvement)が発達し
ており、フランスでは、建設のメリットとデメリットを秤にかけ、市民を含めた議論
の末、メリットがあると結論がでた場合に”公益宣言”を発表し,建設に踏み切りま
す.出なければプロジェクト自体がなくなることもあるそうです.アメリカでは,市
民と行政の議論に誤解や支障が起きないように、専門知識をもつコンサルタントを住
民側が雇えるよう政府が支援した例もあります。
日本ではやはり未発達です。市民のために作るものなのに.
外環建設沿いの地域住民は、交通の便や周辺道路の交通量減少の面から、建設賛成の
向きも多いようですが,環七や環八沿いの子供に喘息やアトピーが多いことを知って
いるのでしょうか? きちんとしたアセスメントをし、行政側と地域住民との間で悪
い面を含めた情報の共有などを目指してほしいです。



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